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2025.01.18 10:00

【米国株ウォッチ】年初来8%安のパランティア株、この下落はまだ続くだろう

Omar Marques/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

Omar Marques/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

昨年、パランティア・テクノロジーズ(ティッカーシンボル:PLTR)の株価は、人工知能(AI)関連銘柄を取り巻く市場の熱狂と米大統領選の結果に対する楽観的な見方によって約4倍に上昇するなど好調だった。しかし、2025年に入ると株価は失速し、年初来で約8%安の約68ドルとなっている(米国時間1月15日現在)。

この株価下落の要因としてはいくつか挙げられる。ひとつは、モルガン・スタンレーがアンダーウェイトのレーティングでパランティアのカバレッジを開始したこと、もうひとつは、ドイツ銀行が現在の株価のおよそ半分にあたる35ドルという目標株価をつけたことだ。著名なファンドマネージャー、キャシー・ウッドが率いるアーク・インベストメント・マネジメントも保有株の一部を売却している。米国債の利回りは直近で上昇傾向にあり、これは通常、パランティアのような高成長株にとってはマイナスとなる。バリュエーションの高さ(2025年3月期における予想利益の150倍以上)、対政府売上げへの依存度の高さ、インサイダーによる売りの多さなど、いくつかの理由から、パランティアは現時点ではハイリスクな投資であると私たちは主張してきた。

本稿では、パランティアの動向と潜在的リスクについて詳しく見てみよう。

2024年における急上昇の原動力とは?

投資家は、パランティアがAIを活用したツールで成功を収め、昨年は政府との契約を大幅に獲得したことに注目した。また、ドナルド・トランプ率いる共和党政権は国家安全保障と移民に関する連邦政府支出を増加させるだろうと予想されており、これがパランティアの製品に対する需要を促進するという楽観論もある。パランティアの共同創業者であるピーター・ティールは長い間トランプの盟友であり、次期政権内でも大きな影響力を持つと見られている。さらに、ナスダック100指数の年次組み入れ見直しを機に、パランティア株も同指数に組み入れられることとなったことも大きい。

加えて、ロッキード・マーチンやレイセオンなど、いわゆる「プライム」コントラクターが寡占してきた米国政府の防衛契約に共同入札するコンソーシアムを結成するため、パランティアがイーロン・マスクが率いるスペースXを含む、他のハイテク企業数社と協議しているとの報道もあった。
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翻訳=江津拓哉

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