フェイスブックのトラフィックが堅調であることを考えると、メタとの連携はイーベイがGMVを改善するのに役立つだろう。この連携は、欧州委員会が同社のオンライン・クラシファイド事業が競争法違反を行ったとして制裁金を科した動きに続くものだ。
昨年、GMV回復の兆しが見られるイーベイの株価は好調だった。イーベイ株は2024年には45%上昇し、S&P500種株価指数の上昇率である23%を上回った。もう少し長い期間で見ると、イーベイの株価は2023年初頭につけた40ドル台から現在の65ドル前後の水準まで約62%上昇している。その主な要因は以下の通りだ。
・株価売上高倍率が2022年の2.3倍から現在の3.5倍へと約52%上昇したこと
・収益がこの期間に98億ドル(約1兆5400億円)から103億ドル(約1兆6200億円)へと5%増加したこと
・70億ドル(約1兆1000億円)規模の自社株買いにより、株式総数が9%減少したこと
直近におけるイーベイの収益成長は、自動車部品、アクセサリー、収集品、ハンドバッグ、リファービッシュ(再生)品、高級ファッションなど、いくつかの重点カテゴリーが成長したことに牽引されている。これにより、最近の四半期ではGMVとテイクレートがそれぞれ上昇した。また、同社はAIを活用することで、パーソナライズされたレコメンデーションを提供し、収益を強化中だ。自動車部品やアクセサリーなど特定のカテゴリーへの注力は、上手くいっているように見える。それでも、イーベイはアマゾン、ウォルマート、Etsy(エッツィー)、Temu(テム)などとの厳しい競争に直面していることは確かだ。
同社の収益性を見ると、営業利益率は2022年の24%から現在の21.3%へと低下している。営業利益率の低下の結果、調整後の純利益も2022年の27億ドル(約4300億円)から現在の24億ドル(約3800億円)へと減少した。しかし、自社株買いによって株式総数が減少したことにより、EPS(1株あたりの純利益)は4.02ドルから4.69ドルに拡大している。
直近のイーベイ株はS&P500をアウトパフォームしているものの、ここ数年間でみると、イーベイ株の上昇は一貫しているとは言い難く、年間リターンはS&P500よりも不安定である。イーベイ株の年間リターンは、2021年に34%、2022年にマイナス36%、2023年に8%、2024年に45%だった。
バリュエーションの観点で見ると、イーベイ株は十分に評価されていると思われる。私たちはイーベイの目標株価を60ドルと推定した。2025年度の予想EPSである5.21ドルで計算したPERは13倍以上であり、これは過去5年間の平均PERである11倍よりも高い水準だ。
(forbes.com原文)