2. 目標に対する気持ちが変わった場合
目標に対する考えは時間とともに大きく変わることがある。かつて重要だと思えたことも、個人の価値観や生活環境が変化するにつれて意味を持たなくなるかもしれない。そう考えれば、私たちの多くが時間の経過とともに目標を変えていくのは当然のことだ。例えば、10代の頃に憧れていた有名人がいるとして、人生経験を積み成熟することで、35歳になる頃にはその有名人と付き合いたいとは15歳の頃のようには思わない可能性が高い。達成不可能な目標を追い求めなくなることは失敗の兆候ではなく、適応行動の洗練された一つの形態だ。
専門誌『パーソナリティ・アンド・ソーシャル・サイコロジー・ブリティン』に掲載された研究によると、非生産的な目標の追求からうまく離脱し、情熱を別の目標に振り向けることができる人は心理面での幸福度が高い。
さらに、目標が自分の核となる価値観に沿わなくなったり、意味を見いだせなくなったりした場合、その目標を追求し続けることは逆効果になる。自分を満足させるものを定期的に再評価し、それに応じて目標を調整することで個人的な成長が得られる。
3. 目標の追求でリソースが尽きた場合
目標設定に関しては、自分が自由に使えるリソースを評価することも重要だ。専門誌『ジャーナル・オブ・アプライド・サイコロジー』に掲載された研究では、リソースの枯渇が、特に仕事関連の目標を追求する際に、個人の実績や幸福感に大きな影響を与えることが強調されている。他の人生目標も同じだ。内的にも外的にもリソースが不足していると、特に非現実的なことを達成しようとすると精神面で参ってしまう。リソースの中には買ったり入手したりできるものもあるが、自分が望んでいることを達成するのに必要とする支援が不足していることを認めることができることが重要だ。
無限に絶えず努力することはできない。ずっと目標を追い続けることは、認知面での燃え尽き症候群につながる可能性がある。終わることのないハムスターの回し車の上を走っているような気分になり、何度も同じことを試みては失敗する。
繰り返しになるが、柔軟性を持つことは弱さではなく、人生の目標を設定する際の知性の表れだ。もはや自分のためにならない目標から離れることを学ぶことで、思いがけないチャンスや自分にとってプラスとなる追求への扉が開かれるかもしれない。
常に言われていることとは裏腹に、真の成功とは不屈の粘り強さではない。歩んでいる道がもはや自分の行きたいところに通じておらず、もしかするともっと良い道が待っているかもしれないことを認識する賢明さを備えていることが真の成功なのだ。
(forbes.com 原文)