第6位には「MaaS(Mobility as a Service)」(1.67倍)が初登場した一方で、昨年2位にランクインしていた「モビリティ」は今年、ランキングから消えた。これは、広い概念である「モビリティ」への関心が、「MaaS」という具体的なサービスモデルに移行したためと考えられる。実用化の進展に伴い、企業や自治体等が関心を高めていることが背景にありそうだ。
第7位には「翻訳」(1.63倍)が初登場した。理由として、グローバル化の加速や生成AIの普及による翻訳の進化があると考えられる。AI翻訳の精度向上により翻訳業務の効率化が進む一方、専門性や文化的なニュアンスが求められる分野では人による翻訳の価値が再評価されつつある。さらに、国際会議やイベントの再活性化、エンターテインメントやEコマース分野でのコンテンツローカライズ需要の拡大も影響しているとみられる。
これまで2023年から2024年にかけて特にニーズが増えたビジネス知見について見てきた。生成AIの実務活用や暗号資産・フィンテックの成長だけでなく、観光業の回復を示す宿泊やインバウンドのランクインからも、コロナ禍を経て変化するビジネス環境への対応が求められていることがわかる。
また、MaaSや翻訳といった分野への広がりから、技術革新やグローバル化の波がさまざまな業界に影響を与えていることがわかる。ランキングに表れたこれらのニーズが、これからの経済や社会をどう変えていくのか注目していきたい。
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