信じられないかもしれないが、新人であっても年収が約1500万円に届く職業は実在する。こうした仕事に就けば、経済的に幸先の良いスタートを切って、学生ローンを早めに完済することができ、人生初の住宅購入といった大きな買い物だって夢ではない。かなりの額を貯蓄に回せるし、大学院への進学を考える余裕もできる。
新人向けの仕事でも驚くほど稼げる業界や職種は、たいていは専門技術が必要で、需要も多い。専門技術と高い需要が組み合わされば、社会人としてのキャリアがまだ浅くても断然有利だ。
本稿では、新人向けの職種ながら10万ドル以上を稼げる仕事と、そうした仕事に就く方法について、知っておくべきポイントを説明していこう。
1. アカウント・エグゼクティブ(法人営業担当)
経験がなくても働ける刺激的な職種の1つが営業だ。アカウント・エグゼクティブ(法人営業担当)は、クライアントとの関係管理を仕事とし、クライアント企業の売上拡大、収益性の確保、市場での成長力維持において重要な役割を果たす。アカウント・エグゼクティブになるには、まずSDR(営業開発担当)や、BDR(新規顧客開拓担当)としてキャリアを始めるのが良い。これらは、販売サイクルの初期を担う仕事であり、コールドコール(テレアポ)や、アカウント・エグゼクティブのアポ取りのほか、リード(潜在顧客)にアプローチして購入まで導くことも含まれる。
SDRとBDRは、年収がおよそ6万7000ドル(約1000万円)だが、すぐに昇進することも可能だ。アカウント・エグゼクティブになれば、年収は10万7053ドル(約1600万円)に上る。
2. 航空管制官
航空管制官は、航空機が空港の滑走路や上空を安全に移動できるよう導く仕事だ。気象情報などに目を配りながら、パイロットに対して離陸や着陸の指示を出したり、着陸や離陸を待つ航空機を統制したりする。航空管制官になるには、最低でも米連邦航空局(FAA)アカデミーの管制官養成コースを修了しなければならない。また、準学士号はあった方がいいだろう。
年収は最大7万5000ドル(約1120万円)で、昇進して他の管制官を監督する立場になれば18万1000ドル(2720万円)に達する。
3. 投資銀行のアナリスト
投資銀行で勤務するアナリストの日常業務には、広範な金融データを分析・評価したり、そうした情報をもとに、企業やプライベートエクイティが賢明な投資判断をできるよう支援したりすることが含まれる。そうした業務は、企業の合併と買収(M&A)などの大型取引でも生かすことができる。また、詳細な金融モデルの構築、プレゼンテーションや報告発表の実施、企業幹部職との直接のやりとりなども行う。アナリストは、金融業界への足掛かりとして最適な職種だ。この仕事に就きたいなら、金融やビジネスの学位を取得した方がいい。経営学修士(MBA)ならいっそう望ましい。インターンとして働いた経験もプラスになる。アナリストの平均年収は、11万6000ドル(約1740万円)だ。
営業や航空業界、金融業界などの新人向けの職種は、キャリア成功に向けた道のりとしてぴったりだ。経済力が手に入るし、常に必要とされている。さらに、そう簡単にAIには取って代わられることがないため、長く続けられるキャリアでもある。
(forbes.com 原文)