3. 2人の時間よりも孤独を優先する
過剰な自立心の持ち主は、明確な境界線を引いてそれを維持し、自己充足性を高めようとすることが多い。したがって、「支えてほしい、アドバイスがほしい、そばにいてほしい」といった欲求をパートナーに伝えることは滅多にない。パートナーと同じ体験を共有することよりも、単独行動の方を優先するため、2人の関係がないがしろになってしまう。自分の趣味や関心、計画を常に重視していると、パートナーは、自分の生活の些末な部分にしか関与しない存在だというパターンができあがってしまう。
その上、犠牲を払ったり妥協したりすることを不快に思い、うっとうしいとさえ感じることもある。そうやって相手に適応することが、心に深く根差した「自主性やコントロールに対する欲求」の前に立ちはだかるからだ。
彼らに言わせれば、妥協は、人間関係において当たり前なものというより、独立を脅かすものだ。スケジュールを調整したり、個人的なゴールを修正したり、2人のために些細な犠牲を払ったりすることに抵抗を示すかもしれない。そんなことをすれば、依存という望まぬ状況に陥りかねない、と恐れているのだ。
自立心と親密さのバランスをうまくとるために、ささやかだがインパクトの大きな行為に力を入れることをお勧めする。例を挙げよう。
・自分の欲求を、パートナーに率直に伝える:ひとりの時間がほしいことと、2人の関係にコミットしたいという思いを伝えよう。そうすれば、ひとりの時間がほしいからといって、相手を拒否しているわけではないこと、ひとりでいたいのは個人的な好みであることを理解してもらいやすくなる
・ときには妥協する用意があることを伝える:定期的に夜デートをしたり、充実した時間をともに過ごしたりするなどして、信頼と結びつきを育もう。これなら、自立心が損なわれたと感じることはない
・自分のスペースが欲しいことを伝える:その際には、むきにならず、冷静な口調で話すよう努めよう。そのようにして相互理解を深め、自主性と、意義深い一体感に向けたコミットメントのバランスをとろう
人と本当に結びつくことは、我々が、傷つきやさやバランスを受け入れることにつながる。そうした結びつきは、たとえ自立心がとても強い人であっても、他者の温かさと信頼のなかに充足感を見いだせることを証明するだろう。
(forbes.com 原文)