サウジアラビア政府関係者は、2016年にソフトバンクの1000億ドル規模のビジョンファンドの半分近くを出資したような、対外プロジェクトに巨額資金を提供する時代はひとまず終わりかもしれないと示唆している。昨年1年間、原油価格が1バレルあたり80ドル(約1万2200円)台で足踏みし、海外投資も低迷しているため、サウジアラビアの2024年度の財政赤字は320億ドル(約4兆8945億円)に拡大する見通しで、未来都市「NEOM(ネオム)」のような巨大プロジェクトへの支出は抑制されていると報じられている。
PIFのルマイヤンはまた、外国投資ファンドへの出資のような国際プロジェクトが支出全体に占める割合は小さくなるとの見通しを示した。現在の21%から18%にまで低下する可能性があり、ピーク時の2020年の30%からはかなりの縮小となる。
それでも、PIFがファンド投資に巨額を注いできたこともあってFIIには約8000人が出席した。PIFは電気自動車(EV)メーカーのLucid(ルーシッド)やAR企業のMagic Leap(マジックリープ)といったスタートアップ、LIVゴルフやニューカッスル・ユナイテッドFCなどのスポーツ関連にも出資してきた。「以前は人々は金を求めて我々のところにやってきていた」とルマイヤン。「今、求めるものが資金から共同投資へと変わっている」という。
(forbes.com 原文)