働き方

2024.10.04 13:15

「結婚も挑戦」全力で走り続けるTBS安住アナの現在地│聞き手:伊東楓

安住紳一郎、伊東楓


伊東:例えばどんなことを注意されたんですか?
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安住:「自分が面白いと思ってることを、他人も面白いと思ってると思うな」とか「ですます調を崩すな」とか。あとは、「笑うときはちゃんと笑う感情を出せ」とか、「長く(会話の)ボールを持つな」とかね。時には人格否定?と思うようなこともありましたが……少しずつ修正していきました。

伊東:私の世代はちょうど働き方改革が始まる直前に入社した世代で、価値観が多様化してるように感じます。私は安住さんに近い価値観を持っていると思いますが、そうじゃない人もいて、仕事に対する「本気度」にグラデーションがあるなと感じています。

だから友人の悩みに共感できないこともあって。安住さんは、そういった違う価値観を持つ後輩にどんなアドバイスをしますか?
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安住:アドバイスはしないかな。自分で乗り越えるしかないからね。

伊東:安住さんは、今の時代に抗おうとは思わないんですか。

安住:無理じゃないかなと思ってる。

この前蒸気機関車を見に行ったんだけど、私は蒸気機関車みたいだなって思って。石炭焚いて蒸気をつくって、蒸気を出しながらゆっくり走って。つまり、ものすごく情熱を燃やしてるんだけど、ちょっとしか進まない。電車の方が遥かに効率的なんだよね。

でも、我々のような人が一生懸命に走っている姿は、電車よりも遥かに胸を打つのかもなとも思っていて。蒸気機関車がなくならないのは、走る姿を見に来る人がいるからなので。

伊東:なるほど。その話を聞いて、何だかやりがいを感じました。

ただ、ハラスメントを恐れるあまり、何かと言いづらい時代になったのはつまらないなと思います。注意や指導されたことを享受するかどうかは本人次第なので、年齢に関係なく、皆が一人の人間として言いたいことを言えるような職場環境があるといいですね。

安住:人の気持ちはそんなに変わらないから、今の不寛容な時代は絶対に揺り戻しがくると思うよ。芸能界でも、成功している人は自我や自分の感性に正直に生き続けてきた人が多いし、最終的に評価されるよね。世の中に迎合すると、結局は消費されちゃうから。

結婚生活は新たな「挑戦」

伊東:安住さんは、仕事のために結構プライベートを削っているイメージがありますが、実際そうでしたか?

安住:削ってきたというか、アナウンサーは仕事のときだけ仕事の顔をつくってもうまくいかないから、私生活と表裏一体だと思っています。

プライベートでもアナウンサーとしてのアンテナを立てて、気になったことがあればメモをしたり、人に話を聞いたりします。わからないことは勉強したり、知らない人にも会いに行ったりします。でも、芸術家もそうでしょう。
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取材・編集=田中友梨 文=三ツ井香菜 撮影=山田大輔

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