3. パーソナルブランドを大切にし、活用する
どんな時でもCEOは組織の顔だが、今日の世界では、パーソナルブランディングがかつてないほど重要になっている。強力なパーソナルブランドは、あなたを際立たせ、知名度を向上させ、オーディエンスとの信頼関係を築く。Journal of Human Resource and Sustainability Studiesに掲載された2016年の研究は、以下のようにまとめている。「CEOのパーソナルブランドは、ブランド・エクイティ(ブランドの持つ資産の集合体)や顧客からの信用・評判を生み出す上で、「企業ブランドだけ」という状態よりも効果的である可能性が高い。それは社会が、企業のビジネスよりも人格を信頼するからだ」
テクノロジー化がますます進み、信頼性が欠如しがちな世界において、パーソナルブランドによって自身の人間性を表に出し、真のつながりを築く。先述の研究によると、オーディエンスと企業製品の結びつきと、CEOのパーソナルブランドとの結びつきを比較すると、後者は前者より100倍速い結びつきが見られるという。
露出のレベルが上がると、さらなる監視の目にさらされることになるものの、リスクよりメリットの方がはるかに大きい。まずは、エグゼクティブとしての存在感、ひいては自身のパーソナルブランド全体を強化することから始めよう。
4. 好奇心と柔軟性を持ち続ける
人格・社会心理学会(Society for Personality and Social Psychology)の調査によると、我々の日常活動の約40%は習慣によって動かされており、同じ状況や順序で行われることが多い。人間として我々は、変わらない日常性と確実性を切望し、それは職業生活にも及んでいる。しかし、慣れ親しんだ考え方に凝り固まることは、CEOにとっては停滞につながる。市場原理や地政学的な出来事といった外的要因についてはコントロールできないが、自分のアプローチの仕方やメンタリティについてはコントロールできる。絶えず好奇心を持ち続けることが鍵だ。JPモルガン・チェースの会長兼CEOを務めるジェームズ・ダイモンは、頻繁に出張し、従業員や顧客とのつながりを保つとともに、多様な視点や、今後のトレンドを学んでいる。
耳を傾け、学び、柔軟であり続け、新しいアイデアにオープンであり続けるCEOは、自己満足と停滞を避け、より良い立ち位置を見つけることができる。慣れ親しんだ世界から「外」に出ることは、自然を通じてであれ、人とのネットワーキングを通じてであれ、新しいアイデアや視点を生み出し、健康に役立つ方法と言える。
S&P500に名を連ねる企業であれ、スタートアップ企業であれ、中堅企業であれ、そのリスクはかつてないほど高まっている。消費者の要求の変化、テクノロジーの進歩、説明責任の増大は、CEOの在職期間を脅かしかねない個人的・職業的課題をもたらす。しかし、プロフェッショナルとしての仕事と並行して個人のウェルビーイングを優先させることで、このような難局を乗り切り、トップでいられる時間を延ばすことができるはずだ。
(forbes.com 原文)