大統領選をめぐっても対立
マスクとコースラの2人は、今年の大統領選をめぐっても対立している。7月にバイデン大統領が選挙戦からの撤退を表明した際、コースラは民主党が別のふさわしい候補者を探すべきだとXに投稿したが、マスクはコースラに、バイデンの代わりにトランプを支持するよう促した。コースラは、これに対し、「嘘をつき、詐欺をし、レイプをし、女性を蔑み、移民を憎む候補者を支持するのは難しい」と返答した。マスクはさらに、トランプは完璧ではないが「政府の規制を減らして個人の自由を促進する可能性が高い」と反論した。これに対してコースラは、スペースXやテスラなどのマスクの会社は、「政府との契約や補助金がなければこれほど成功していなかっただろう」と主張した。
また、両者はAIに関しても異なる見解を示している。コースラの投資会社であるコースラベンチャーズがOpenAIの初期投資家として知られている一方、マスクはOpenAIの設立当初に支援していたが、現在は競合するプロジェクトを自社で運営している。マスクがOpenAIを訴え、同社が「非営利のオープンソースのビジョンを放棄したと」主張した際、コースラはこれを「負け惜しみ」と呼び、マスクは「コースラは何もわかっていない」と応酬した。
コースラは、AIの使用や開発に関する規制を強化する立場を支持しているが、マスクの盟友であるマーク・アンドリーセンは、規制よりもオープンソースの開発を推進すべきだと主張している。
フォーブスは、コースラの保有資産を74億ドル(約1兆円)と推定しており、彼は世界で397番目に裕福な人物としてランクされている。コースラは、1982年にコンピュータハードウェア企業サン・マイクロシステムズを共同創業し、2009年に同社をオラクルに74億ドル(約1兆円)で売却した。彼はその後、コースラベンチャーズを設立し、バイオ関連やロボティクスなどの実験的なテクノロジーに投資している。一方、マスクの推定保有資産は2573億ドル(約37兆円)で、フォーブスの世界の富豪ランキングで首位に立っている。
(forbes.com 原文)