収益性を比較
ペプシコの2023年の営業利益率は14.1%で、2020年の14.4%からわずかに低下した。一方のコカ・コーラも、営業利益率が同期間に29.5%から28.6%へと低下している。直近12カ月間を見ると、コカ・コーラの営業利益率は26.3%で、ペプシコの14.5%よりもかなり良い。直近の四半期決算において、ペプシコの連結営業利益は、クエーカーフーズ部門でのリコールの影響はあったものの前年同期比で約8.2%増加した。コカ・コーラも、同社が独自に開示している非GAAPの営業利益率(Comparable Operating Margin)は前年同期の31.6%から32.8%に拡大している。この利益率の改善は、主に好調な販売価格の動向とボトリング事業の再フランチャイズ化が後押ししている。
コカ・コーラは財務リスクが低い
財務リスクを見ると、コカ・コーラはペプシコより良好で、自己資本に対する負債の割合は14%と、ペプシコの19%より低い。さらに、コカ・コーラの資産に占める現金の割合は19%で、ペプシコの7%より高いことから、コカ・コーラの方が有利子負債への依存度が低く、現金の余裕もあることを示唆している。結論
コカ・コーラの方が収益が伸びており、利益率も高く、財務状況も良好であることがわかる。しかし、これらはすべて株価に織り込み済みであるように思う。先述したように、現在コカ・コーラ株の予想PERは25倍となっている。この25倍という数字は、過去5年間の平均である21倍より若干高い。一方、ペプシコ株の予想PERは21倍であり、これは過去5年間の平均である24倍より低い水準だ。総じて、両社ともに収益は今後着実に増加していくであろう。ペプシコは、より多様化した製品ポートフォリオと、より小型のパッケージングに注力しており、これが収益成長のドライバーとなりうる。コカ・コーラにとっては、好調な販売価格やボトリング事業の再フランチャイズ化が成長の牽引役となりうる。結論として、もし私たちがこの2つの株式のどちらかを選ばなければならないとしたら、バリュエーションの観点からしてペプシコの方が有利だと考える。
(forbes.com原文)