査読付きの論文を発表したアイルランド国立大学コーク校(UCC)の研究チームは、臨床心理士が治療に用い、効果を報告しているというこのゲームについて、社会的つながりを感じられること、創造力の表現の場となること、コントロール感を得られることが、メンタルヘルスに役立つのだろうと述べている。
社会的な孤立はより大きな問題として重視されるようになっており、米保健福祉省公衆衛生局のビベック・マーシー医務総監は2023年、「社会的つながりとコミュニティーが持つ治癒効果」を強調する報告書を発表している。
男性が直面する「危機」
社会的孤立は(ストレスホルモンとも呼ばれる)コルチゾールの分泌量を増やし、認知発達を阻み、子どもたちの発達やメンタルヘルスに影響を及ぼし得るものだ。2021年にジャーナル『Revista Paulista Pediatria』に発表されたシステマティック・レビューでも、20歳以下の若者・子どもたちの社会的孤立と不安障害やうつ病の間には、強い関連性があるとされている。
また、40年近くに渡り10代の若者の社会的情緒的発達について研究してきたニューヨーク大学のナイオビ・ウェイ教授(発達心理学)は、少年たちがソフト・スキルを伸ばすことを妨げる米国の「ボーイ・カルチャー」が、人間の「ソフトな面」と男性たちを切り離しているのだと指摘する。
ウェイ教授はCNNとのインタビューで、次のように述べている。
「他の人たちとのつながりを持つためには、弱さも優しさも、自ら進んで持とうとしなくてなりません」「そうする気持ちがなければ、人との付き合いに苦労することになります」
米国のそうした文化が、少年と男性たちを情動や人間関係に関する知能の発達から遠ざけ、結果としてその多くにうつ病や不安障害、孤独感、欲求不満、そして怒りにもつながり得る孤立感と疎外感をもたらす要因になっているという。