宇宙

2024.08.10 16:00

やはり人類は宇宙で孤独か、プレートテクトニクスが示す ドレイクの式に新因子

南米チリ・アタカマ砂漠にあるチャナントール天文台で、星空を背景に立ち並ぶアルマ(ALMA)電波望遠鏡群のパノラマ画像(ESO/B. Tafreshi (twanight.org))

南米チリ・アタカマ砂漠にあるチャナントール天文台で、星空を背景に立ち並ぶアルマ(ALMA)電波望遠鏡群のパノラマ画像(ESO/B. Tafreshi (twanight.org))

フェルミのパラドックス

今回の研究で提案された、海洋と大陸とプレートテクトニクスに関する修正をドレイクの式に加えることで、活動的で交信可能な文明の存在確率がはるかに低くなる。これが重要になる理由は、ドレイクの式が、惑星を持つ恒星の割合(fp)や、生命が発生する惑星の割合(fl)などの複数の因子を掛け合わせて、銀河系内の知的文明の数を推定するためだ。現在のところ、地球以外に生命が存在する証拠は得られていない。これは、フェルミのパラドックスと呼ばれている。ノーベル賞を受賞した物理学者エンリコ・フェルミが1950年に提唱した。

研究チームによると、ドレイクの式では、生命を育むすべての惑星において、十分な時間を経ることで、知的文明が必然的に発達すると仮定しているという。今回の研究では、それとは別の仮定を提案している。太陽系でプレートテクトニクスが存在する惑星は、地球だけだ。「不動蓋型として知られる、分裂していない1枚の固い外殻を持つ惑星の方がはるかに多く見られる」と、スターンは指摘する。「だが、高度な生命体の出現を促進するためには、不動蓋型よりもプレートテクトニクスの方がはるかに効果的だ」

電波とロケット

さらには、単純な生物から複雑な多細胞生物への進化は水中で起きる必要がある一方、それ以降の進化は陸上で行われる必要があるとスターンは主張する。「夜空に思いを巡らせ、火を利用し、金属を用いて、新しい技術を開発し、最終的には、宇宙空間に電波を送信したりロケット船を送り込んだりする能力を持つ、活動的で交信可能な文明の登場に至るまでのことは、陸上で行われる必要がある」とスターンは説明した。

forbes.com 原文

翻訳=河原稔

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