リチャードは仕事に追いまくられ、過剰な負担を背負っていた。乏しいリソースのなかで時間に追われてストレスを感じ、孤独で、疲労困憊していた。さらにシャンパンのボトルが飛んでくるに至って、身の危険を感じるまでになった。
彼は、仕事がもたらす報酬や称賛を、もはやありがたいとは思えなくなっていた。自分が成長しているとも思えないし、仕事に行くのが楽しみとも思えなかった。これらは、重大で持続的な変化だ。
バイデンの大統領選撤退
ジョー・バイデンは年老いていた。これは予測可能な、持続的な変化だが、それだけではリセットボタンを押すのに十分な理由とは言えなかった。実際にリセットボタンが押されるきっかけとなったのは、大統領候補による第1回の討論会におけるバイデンの振る舞いを見た人たちの反応だった。この時のバイデンの様子を見て、引き続き大統領の務めを果たすにはあまりにも高齢で、心身が弱っていると感じる人が多かったのだ。これが、リセットボタンを押して大統領選から撤退するきっかけとなった。
共和党側も、同じく高齢という問題を抱えるドナルド・トランプを大統領候補に擁している。リセットボタンが押されるきっかけになるのかどうかは、興味深いところだ。
新しい職場での身の処し方
新しい仕事に就くと、さまざまな変化が起きる。願わくは、頭をめがけてシャンパンのボトルを投げつけられたり、討論会での失態で側近から撤退を勧告されたりするような事態は避けたいところだ。変化のサインは、これほどあからさまでないこともあり得る。目と耳を開き、新しい職場の人たちと強固な関係を築いて、変化があるのか、あるとしたらそれが重大で持続的なものかを教えてもらえる体制を築こう。
コロナ禍による働き方の変化など、自分を取り巻く職場の状況の変化に気を配ろう。また、企業の合併や買収、戦術や態度の変化など、ライバルや仲間、顧客の状況変化にもアンテナを張りめぐらそう。