ジュノーに搭載された200万画素のカメラJunoCamは、昨年末から今年にかけて受けた放射線によるダメージを物ともせず、木星の雲頂を捉えた目を奪われるような画像を撮影し、地球に送信し続けている。
この数カ月間、ジュノーからは木星の衛星イオの画像が継続的に送られてきている。エウロパ、ガニメデ、カリストとともに四大衛星「ガリレオ衛星」と呼ばれるイオは、太陽系の中で最も火山活動が活発な天体だ。
ジュノーは今回の木星フライバイ(近接通過)観測では、特定の衛星には接近せず、遠方から画像を撮影した。
ジュノーは、ガリレオ衛星に次いで5番目に大きい木星の衛星アマルテアのピクセル化した画像を撮影した。ジャガイモのような形をしたアマルテアは、イオよりも木星に近い軌道を12時間足らずで公転しており、木星が持つ希薄な輪構造の中にある。
半径は約84kmで、地球の月の20分の1ほどだ。
5月には、木星の「大赤斑」の上空にあるアマルテアを捉えた画像が、ジュノーから送られてきた。高気圧の嵐である大赤斑は、地球がすっぽり入るくらいの大きさがある。少なくとも1831年から持続しており、時速600km以上の風が吹き荒れている。
惑星科学者がこの衛星の探査機画像を見ることができたのは、NASAのガリレオ探査機による撮影が行われた2000年以来24年ぶりだった。ガリレオの画像では、アマルテアに衝突クレーターや丘や谷があることが明らかになった。
2023年には、木星を公転する衛星が新たに12個発見された。すべて直径わずか1~3kmほど、公転周期は340日以上で、550日を超えるものもある。
新発見の衛星のうち9個は、内衛星(母惑星と同時に誕生し、母惑星に近い軌道を公転する衛星群)と逆方向に周回しており、木星の重力に捕捉された小惑星や彗星の破片であることが示唆される。