また、同市の
シエナガ・デ・マジョルキン公園は、かつては打ち捨てられた地域でしたが、現在では約4キロメートルの自転車専用道路を備えた緑地へと生まれ変わっています。この公園には現在までに6万本以上のマングローブが植えられました。一方、同市のグラン・マレコン・リバーウォークは、かつて工業地帯であったマグダレナ川沿いを公共エリアとして再生させる
大胆な取り組みで、川沿いを人が住めず汚染されたエリアから、活気ある公共スペースへと変える一助となっています。
ブラジルのサルバドールでは、大西洋岸森林バイオームを復元し、気候変動に対するレジリエンス(強靭性)を強化するため、19平方キロメートルにおよぶ39の保護区を
設置しました。この再生プログラムでは3万本の植樹が行われ、その半数は市民の手によるものです。また、エクアドルでは、キトの気候変動行動計画が、住民1人当たり少なくとも20平方メートルの緑地を増やすという果敢な適応目標を
掲げています。
急速に都市化が進む世界にとって、ネイチャーポジティブな都市づくりはなかなか手強い課題です。そこで、GBFの目標を達成し、10年後までにネイチャーポジティブになるための競争が始まっています。私の母国で開催される次回の生物多様性条約締約国会議(COP)に向けて、都市がいかにしてネイチャーポジティブな未来への道を切り開くべきかを中心に議論していくことが期待されます。
本記事は、世界経済フォーラムがグローバル経営コンサルティングファームのオリバー・ワイマンの協力を得て発行する「
ネイチャーポジティブ・シティーズ」イニシアチブの公開記事の一つです。
(この記事は、世界経済フォーラムの
Agendaから転載したものです)
連載:世界が直面する課題の解決方法
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