宇宙

2024.05.14 09:45

宇宙経済は2035年までに1.8兆ドル規模に、急成長が見込まれる理由

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宇宙システムを活用したテクノロジーの進歩に伴い、スペースエコノミー(宇宙経済)の規模は、2035年までに1兆8000億ドルになると予想されています。

新たに発表されたレポート「宇宙:グローバル経済成長1.8兆ドルの機会(Space: $1.8 Trillion Opportunity for Global Economic Growth)」は、スペースエコノミーにおける主要な進展について概説しています。

スペースエコノミーは、商業的な機会を開くだけでなく、気候変動など世界で最も差し迫った課題に解を見出す可能性があると期待されています。本題についてWEFのアジェンダからご紹介します。


宇宙は、新たなフロンティアに近づいています。最新のレポートによると、衛星やロケットを活用したテクノロジーのさらなる普及に伴い、スペースエコノミー(宇宙経済)の規模は、2035年までに1兆8000億ドルになると予想されています。

天気予報からスマートウォッチなどのユビキタスなスマート機器まで、あらゆるものを動かしているスペーステクノロジーは、より幅広いステークホルダーにも利益をもたらしており、小売、消費財・ライフスタイル、食品・飲料、サプライチェーン、輸送、災害緩和などの業界はすべて、宇宙イノベーションの恩恵を受けると考えられています。

「スペーステクノロジーは、これまで以上に多様なステークホルダーに大きな価値をもたらしています」と、世界経済フォーラムの取締役会メンバーであるセバスチャン・バックアップは述べています。「コスト削減とアクセシビリティの向上により、これらのテクノロジーは産業全体を再構築し、スマートフォンやクラウドコンピューティングと同様にビジネスや社会に大きな影響を与える可能性があります」。

マッキンゼー・アンド・カンパニーの協力を得て作成された、世界経済フォーラムの最新のレポート「宇宙:グローバル経済成長1.8兆ドルの機会(Space: The $1.8 Trillion Opportunity for Global Economic Growth)」は、今後10年を通じて、宇宙とそれに隣接する産業を形成する主要な進展について概説しています。

同レポートでは、宇宙およびその他の産業の専門家が結集し、スペーステクノロジーの将来的な軌跡と、急速に向上・拡大する技術力を通じてスペーステクノロジーが他のセクターに間接的に与える影響について、これまでで最も詳細な全体像を示しています。2035年までの宇宙の未来について、知っておくべきことは次のとおりです。

1. 宇宙がグローバル経済のより多くの部分を占めるようになる

スペースエコノミーの規模は、2023年の6300億ドルから2035年には1兆8000億ドルに拡大し、年平均成長率は9%とグローバルGDP成長率を大幅に上回ると予想されています。通信、測位、航法、計時、地球観測サービスなど、宇宙をベースとした、あるいは宇宙システムを活用したテクノロジーが、この成長の主要な原動力になると考えられます。

2. 宇宙が与える影響は、宇宙そのものを超えていく

従来の宇宙関連ハードウェアメーカーやサービス事業者がスペースエコノミー全体に占める割合は徐々に低下し、衛星などの宇宙システムを活用したテクノロジーに支えられた配車アプリのようなサービスが利益を得るようになるでしょう。
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文=Nikolai Khlystov, Lead, Space Technology, C4IR Physical Technologies, World Economic Forum; Gayle Markovitz, Acting Head, Written and Audio Content, World Economic Forum

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