サイエンス

2024.08.05 16:00

1894年、孤島に連れてこられた1匹の飼い猫 翌年には1鳥種が絶滅

Getty Images

子を宿していたティブルスの到来から1年も経たないうちに、スチーフンイワサザイの個体数は激減した。デビッド・ライアルが保存した少数の標本は、さまざまな博物館に送られた。不幸なことに、ネコたちが鳥たちに与えていた影響が完全に理解された頃、時はすでに遅しだった。知られている最後の生きたスチーフンイワサザイの観察記録は1895年、ティブルスがスティーブンズ島に連れられてきたわずか1年後のものだ。

飛べない鳥が人間主導の絶滅に瀕しやすい理由

スチーフンイワサザイにとって不幸だったのは、飛ぶことができないために島で増殖したネコたちの格好の餌食になってしまったことだ。ある生態系に捕食種が持ち込まれた時、飛べない鳥は概して絶滅のリスクが高いことを2020年に掲載されたScience Advancesの記事は伝えている。
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ネコのティブルスを責めるのは簡単だが、私たちは人間の役割を認識する必要がある。同記事によると、飛べない鳥は他の種よりも、人間主導による絶滅の被害にあうことが多い。「飛べない種は最初の入植以来、より多くが絶滅している」と記事は述べている。

人類は、島に外来種を持ち込むことでスチーフンイワサザイが絶滅する土台を作った。ティブルスの捕食行動は自然で本能的なものだが、そのような捕食者を脆弱な生態系に持ち込んだことは、人間による不用意な過ちだった。

スチーフンイワサザイは、人間が環境に与える影響、そして孤立した生息地に外来種を持ち込むことによる生態的な結末の重要性を再認識させた。今日、全世界で進む保護活動は、脆弱な種を保護し、侵襲的な捕食者を管理することによって、そのような悲劇を防ぐことを目標にしている。
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訳注:和名のスチーフンイワサザイは、スティーブンズ島に由来しているが、当時の著名な鳥類学者山階芳麿の『世界鳥類和名辞典』に「スティーブン」ではなく「スチーフン」と記されていたことから本稿ではそれを用いた。現在ではスチーブンイワサザイ、スチーフンイワサザイなどのように記述されることも多い

forbes.com 原文

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