高木: QFとは、市民のニーズに基づいて公共財に資金を分配するためのメカニズムです。通常のクラウドファンディングのような寄付に加えて、市民による支持(寄付)をシグナリングとして、資金プールから金額が上乗せされます。
同じく、通常の寄付に対して行政や会社が金額を上乗せする仕組みの「寄付マッチング」は欧米の企業の福利厚生などとして利用されていましたが、この仕組みでは1:1の比例で資金が分配されました。しかし、QFでは寄付者の数と金額をもとに資金が分配されるため、より多くの市民の支持を反映できます。
日本で分かりやすい例を挙げると、「ふるさと納税」を想像してください。これは好みの返納品を選びますが、代わりにお気に入りの公益プロジェクトを選ぶバージョンです。これに加えて、行政があなたの寄付(支持)にいくらか上乗せして資金を分配します。
これにより、能動的な納税と解釈することができ、NPOやシビックテック プロジェクトなどの公共財的な組織に対して助成金を分配する際に非常に有効です。
詳細はDig DAOメンバーで一緒にプロジェクトを進めている守慎哉( @MorleySheen ) さんが書いたブログもよく参照されているので気になる方はこちらを読んでみてください。
──Dig DAOマッチングドネーションはすでに公開されていますよね。すでにプロジェクトの参加もあるのでしょうか?また、今後参加したい方も参加可能なのでしょうか?
高木: はい。すでに日本の複数プロジェクトが今回のラウンドに参加してくれています。新たな公共基金の分配方法に興味のある公共性あるプロジェクトが参加してくれています。この仕組みは多くの方にオープンなので、ぜひ新たな資金調達の仕組みを試してみたいプロジェクトオーナーの方は参加してみてください(公益プロジェクトとして掲載したい人へ )。もちろんプロジェクトオーナー以外の方は「DigDAOマッチングドネーション」に掲載されているプロジェクトで自分が欲しいと思うものがあればぜひ支援してください。多くの方が支援参加するものがニーズが高いプロジェクトとして優先順位がつけられて資金プールから割り当てられます。
今回は初回ということで実験的に10万円の資金プールを設定しましたが、規模を重ねて色々なカテゴリーに分けたり、資金プールの額を大きくしたりしていきたいです。また、マッチングドネーションは色々な参加の仕方があると思います、プロジェクトを掲載し資金を受け取るのもよし、寄付するのもよし、資金プール自体に貢献してもらうというのもあると思います。次回以降は未定ですが、またDig DAOなどを通してアナウンスをする予定です。
https://donation.digdao.jp/