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2024.07.16 15:15

【特別取材】ストレスは分類せよ! 『最適脳』著者に聞いた「自己脳制御」術

気分ややる気は「6つの脳内物質」が決める

自己啓発本自体はすでにいくらでも世の中に溢れているが、この本のアプローチは非常に斬新だ。その時々の気分ややる気を決めているのは実は私たち自身の意思ではなく「6つの脳内物質」だという考え方が出発点になっている。簡単に言うとドーパミンはやる気、オキシトシンは共感力や今を満喫する力、セロトニンは社会的な自信、コルチゾールはストレス、エンドルフィンは幸福感、テストステロンは「自分は勝てる」という感覚にダイレクトに関連してくる。

そういった物質を脳内で増やしたり減らしたりできるようになれば、その時に自分が望む精神状態をつくれる──それがこの本のアプローチだ。

Getty Images / paitoonpati

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たとえば大事な面接やプレゼン前(著者は世界有数のプレゼンコーチでもある)にどんな精神状態にもっていきたいか、他にも苦手な社交の前、寝る前、モチベーションを上げたい時など、シチュエーション別にも具体的な方法が書かれている。そしてこれはおまけだが、脳科学的に恋に落ちる(!)前提をつくる精神状態をつくる方法も存在するのだ(くれぐれも悪用しないように)。

詳しい方法についてはぜひ『最適脳』を参考にしてもらえればと思うが、今回はForbes JAPAN読者のために、著者が普段どういうシチュエーションでどういうテクニック(本書内では「ツール」と呼ばれる)を使っているのか、独占インタビューをさせてもらった。

 「半年で30カ国訪問」。驚異のスケジュールをどうこなすのか

なぜそれを訊いてみたかったのかというと、著者が多忙を極める中でまたうつにならないよう心のバランスをしっかりとることができているからだ。

 どのくらい忙しいかというと、日本では今年4月に出た『最適脳』だが、その前後に世界30カ国で次々と刊行されており、各国での刊行記念イベントやメディア露出、企業向けのレクチャーなどで今年前半だけでイギリス、オランダ、クウェート、ドバイ、アメリカならマイアミ、ロサンゼルスなどのべ30カ国を訪問するという驚異のスケジュールをこなしている。その上でスウェーデン人らしくちゃんと家族との時間も大切にして、自分が講演などで人前に出るときには万全の精神状態を保っている。どうすればそんなふうに生きられるのか、筆者自身も非常に興味があった。

 フィリップス氏は以下のとおりに答えてくれた。

 

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