広がる子どもターゲットの生成AI利用
ネット上には、生成AIが子ども向け商品のセールス目的で使用されることに絶望感を示す人も多い。幼い子どもたちの心には、人の手によって生み出された芸術を楽しむ資格がないのかと嘆く声が聞かれる。トイザらスのAI生成広告への反発が起こるのと時期を同じくして、Amazonプライムビデオで来年公開予定の新作アニメシリーズ「くまのプーさん」の制作発表があり、AIを活用して「生産効率」の向上を目指すことが明らかになった。
新シリーズのプロモーション画像には、どこにも通じていない道や、できそこないの怪物じみた生き物が背景として描かれており、AI生成された未編集の画像であることがわかる。
I don't think they put any care into this. pic.twitter.com/FatK77NNyo
— Acry 💛✨ (@AcryWeaver) June 21, 2024
ディズニーがキャラクターの独占的著作権を喪失したことを受けて制作される新シリーズは、コスト削減のためにAIを使用するのかと批判を浴びている。ディズニーにも欠点はあったが、A.A.ミルン作の絵本の映像化という点ではすばらしい仕事をしていた。プーさんとその仲間たちは、まぎれもなく自分の技術を大事にするアーティストたちによって描かれ、声を当てられていた。
だが残念ながら、子ども向けの本の執筆や挿絵に生成AIが使われる傾向は一般的になりつつある。子ども向けイベントのプロモーションにAI画像が使われた結果、実際にイベントに参加した親たちから告知内容とまったく違うと苦情が殺到した例もある。
アート制作の自動化は、ネット上に氾濫するスパムの急増を招き、配慮に欠けた子ども向けのAI生成コンテンツの拡散につながっている。反発が高まるのも無理はないだろう。
(forbes.com 原文)