社会への影響
子どもを持たない独身者やカップルの増加が社会に及ぼす影響については、かなりの議論がある。人口過剰による資源やインフラへの負荷を軽減する可能性もある一方で、少子化の一因となり、労働力不足や高齢化など長期的に経済的・社会的影響が及ぶかもしれない。子どもを持たなかったことを後悔する人もいれば、キャリアや何らかの追求、有意義な社会貢献など、人生の他の側面に充実感を見出す人もいるだろう。
その背後にあるもの
米金融情報サイトMarketWatch(マーケットウォッチ)の調査によると、米国では子どものいないカップルの半数が子どもを持つことを望んでいない。一方で、 25%が近く子どもを持つ予定で、23%が将来いつか子どもが欲しいと答えた。現在、子どもを持たない理由のトップとしては、経済面で自由でいられることが挙げられた(33%)。子どもを持たないことで日々気ままに暮らせること、現状では子どもを養う経済的余裕がないとの回答もあった(26%)。
子どもを持たないという決断の背景にある経済的な理由については、生活費の高さ(32%)や不況への懸念(22%)が挙げられた。住宅を購入できない(18%)、借金を多く抱えている(15%)、学生ローンの借金が多すぎる(12%)というものもあった。
KIPPERsとPODWOGs、経済的に自立できず親と同居
芳しくない雇用情勢と高騰する生活費に直面し、米国ではかなりの数の若者が経済的に親に頼っている。米シンクタンクのピュー研究所が実施した調査によると、親の5分の3近くが、34歳以下の成人した子どもに金銭的援助をしていることが明らかになった。さらに、若年成人の57%が両親と同居しているか、両親が所有する家に住んでいることもデータで示された。目が飛び出るほどの住居費や高騰するインフレ率、今後生計を立てられるか見通せないなど、経済的な事情から多くの若者にとって自立した生活を送るのは困難なものになっている。