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2024.06.14 10:30

AIによる「電気の爆食い」で注目、カーボンフリー電力に挑む新興企業たち

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原子力発電システムは、二酸化炭素(CO2)を排出しないクリーンなシステムとしてますます注目されているが、使用済みの放射性燃料棒やその他の危険物質を安全に貯蔵するための長期的な課題が残っている。
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そんな中、さらにもう一つの有望なエネルギー供給元と言えるのが、Fervo(フェルボ)のようなスタートアップが開発を進めている地熱エネルギーを用いたシステムだ。グーグルは昨年末にネバダ州で同社のシステムのテストを開始した。フェルボは、水平掘削技術を用いて地下の熱水貯留層にアクセスし、発電機を稼働させている。

「ナトリウムイオン電池」の強み

一方、データセンターがどのようなエネルギーを使用しているかに関わらず、そこで必要とされる要件に適した新しいタイプのバッテリーを開発したのがNatron Energy(ネイトロン・エナジー)だ。同社の共同創業者でCEOのコリン・ウェセルズによると、AIデータセンターのGPUチップは突然のパワーの急増を要求し、「グリッドの安定性に問題を引き起こす可能性がある」という。

ネイトロン社は、AIサーバーが標準的な演算速度を「オーバークロック」した際に生じる電力の急上昇を緩和するのに最適なナトリウムイオン電池の販売を開始した最初の企業の1つだ。この電池は、電力の分配を平準化し、過負荷を防ぐ緩衝材のような役割を果たし、電力の急上昇を抑制する「私たちは、単なるバックアップ電源ではなく、コンピューティングをサポートするためのリアルタイムのエネルギー管理を行っています」とウェセルズは述べている。

ナトリウムイオン電池は、リチウム電池のように寿命を縮めるような劣化がなく、頻繁に充電が可能で、発火の懸念もない点がメリットだ。この電池は、リチウムイオン電池のように長時間にわたって電気を蓄えるのではなく、すばやく充電し、より迅速に電力を放出する能力に優れている。「私たちはプリウスではなくレーシングカーを運転しているんです。航続距離は長くないが、とんでもないスピードが出るのです」とウェセルズは説明した。
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ネイトロン社の電池は、リチウムイオン電池よりも安価な原材料である鉄とマンガンを使用しているが、使用する陰極と陽極を製造する大規模なインフラがまだ存在しないため、現状では安価ではない。しかし、データセンターからの需要があるため、現時点では初期の顧客は価格について特に懸念していないという。

「当社は、2014年にデータセンターを最初のターゲット市場にして以来、投資家からの理解を得るために苦労してきました。しかし、この1年で状況は完全に逆転しました。市場は熱狂的です」とウェセルズは語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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