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2024.06.16 16:00

「老後の移住」に最適な東南アジアの国々3選、ビザ要件も紹介

博物館や観光地の中には、シニアの入場を無料にしているところもあるが、外国人だと優遇を受けられないこともある。とはいえ、タイの公共交通機関や娯楽にかかる料金は非常に安いので、割引を受けられなくてもダメージは少ないだろう。

インドネシア(バリ島)

バリの文化では、年長者は知恵袋として尊敬される。アジアの他の地域と同様、高齢者向けの介護施設という概念は存在しない。高齢者は最後まで家族や社会の一員なのだ。伝統的に、1つの家に複数の世代が共に暮らしている。

バリ島は美しいビーチ、トロピカルな景色、ユニークな文化などで知られているが、本当に際立つのは地元の人々の優しさだ。島のどこに行っても、バリの人々は笑顔で迎えてくれる。家族の伝統は年長者への気遣いと敬意を規定しており、それはしばしば、島を訪れるシニア世代の旅行者への待遇にも反映されている。

インドネシアもリタイアメント・ビザを提供しており、老後の生活を送るのに最適な国の1つだ。ビザを取得するには、55歳以上であり、インドネシアで働かずに自活できる経済力を証明しなければならない。年金収入や資産からの収入として証明が必要な金額は、年間1万8000ドル(約280万円)だ。また、このビザを取得するためには、清掃員、庭師、運転手などとして現地の人々を雇う必要がある。

フィリピン

フィリピンは、何千もの島々、印象的な青い海、完璧なトロピカルビーチなど、別世界のような風景が広がる土地だ。冒険に満ちたライフスタイルを満喫でき、生活費も安い。

フィリピンもリタイア世代専用のビザを用意しており、移住は比較的容易だ。ビザを得るためには、50歳以上で、月あたり800ドル(約13万円)以上の収入があることを証明する必要がある。また、コンドミニアムの購入や、家と土地の長期リースなどのために1万ドル(約157万円)を投資する必要がある。

このビザには、特定の関税の免除やフィリピンの健康保険公社による給付金などの特別な特典もついている。

フィリピンは英語が公用語であり、人口の約55%が英語を流暢に話す。他の東南アジアの国々と比べて言葉の壁が低いため、生活も容易だろう。

フィリピンの人々は温厚で親しみやすいことで有名で、お年寄りを敬う文化的価値観が強い。若い人たちは、年上の人に声をかけるときに敬語を使う。また、年上の人に挨拶するときは、お辞儀をし、自分の額に相手の手をあてる「マノポ」という動作を行うこともある。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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