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2024.06.16 16:00

「老後の移住」に最適な東南アジアの国々3選、ビザ要件も紹介

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北米では、老人ホームやエイジング・イン・プレイス(高齢者が住み慣れた場所・環境や住まいで自分らしく暮らすこと)のコミュニティーは一般的なものとして認知されている。だが、世界の多くの国では、そうした施設やコミュニティーはそれほど一般的でないか、もしくは単に存在しないこともある。ある年齢に達すると社会から排除されるのではなく、高齢者は家族によって介護され、より長く社会に存在し、活動し続けるのだ。

たとえば欧州では、エレガントな服装をした年配の女性たちが、町の広場に集まって酒を酌み交わしているのをよく見かける。中南米では、家族が社会の中心であり続け、イベントや集会でも高齢者に居場所が用意されているのが一般的だ。

筆者がリタイア後の生活を送るのに適していると考える国々の多くでは、高齢者は優遇を受けられる。割引、優先列、特別ビザという形をとることもあれば、高齢者を賢明でかけがえのない存在として見る文化のおかげで、より尊重されていると感じられる場所もある。

年長者に対する敬愛の念が文化として根付いているアジアの国々では、特にそうだ。多世帯住宅は一般的で、3世代以上が同じ屋根の下で暮らし、若い世代が年長者の面倒を見るという例も多い。

アジアでは、親がある程度の年齢に達し、親と子の役割が逆転することは文化的な義務であると考えられている。中国では親の介護を法律で義務付けており、頻繁に親を訪ねない成人した子どもには罰則が科される可能性があるほか、「老人をないがしろにしたり、いびったりしてはならない 」という具体的な指示まである。

韓国では、欧米で祝われる15歳や16歳の誕生日のように、60歳や70歳の誕生日が盛大に祝われる。大人用の紙おむつの消費が赤ちゃん用の紙おむつを上回る日本では、80歳以上が人口の7%以上を占め、社会は彼らを受け入れている。

それでは早速、福利厚生が充実し、ハッピーな老後生活を送るのにおススメのアジアの国々を紹介しよう。

タイ

タイでは、シニア世代は日常生活の中で敬意を払われる存在だ。若い人のように行列に並ばされることはまずないし、人々はわざわざあなたを助けてくれるだろう。

同国は50歳以上の外国人にリタイアメント・ビザを発給している。この恩恵を受けるには経済的な支払い能力を証明する必要があり、現地の銀行口座に80万バーツ(約340万円)を預けるか、月収が約6万5000バーツ(約28万円)以上あることを証明する書類の提示が求められる。リタイアメント・ビザの有効期限は1年間で、無期限に更新できる。

また、一部の公共交通機関では60歳以上は50%の割引を受けられ、民間企業でも複数の地方航空会社やレンタカー会社で5~20%の割引を受けられる。
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翻訳=江津拓哉

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