株価パフォーマンス
クアルコムのAI向け、および自動車向け事業に対するポジティブな見方により、同社の株価は2021年1月初旬の150ドル台から約35%上昇し、現在は約211ドル前後の水準となっている。とはいえ、その株価の上昇は一貫しているとは言い難い。2021年のリターンは20%、2022年はマイナス40%、2023年は32%であった。これに対し、S&P500種株価指数のリターンは2021年に27%、2022年にマイナス19%、2023年に24%であり、QCOMのリターンは2021年と2022年にS&P500を下回っている。結論
米国時間6月5日現在のクアルコムの株価は211.90ドルで、2024年度の予想利益の約27倍で取引されている。これは決して高い倍率ではないが、懸念材料もある。クアルコムの通年ベースの売上高は今年ほとんど伸びないだろう。さらに、同社の中核であるモバイル・チップセット分野での競争も激化している。例えば、中国ファーウェイの新型スマートフォンには今後、自社開発のKirinプロセッサが搭載される予定で、これはクアルコムの売上減少につながる。また、サムスンも次期フラッグシップモデルにクアルコム製のプロセッサを搭載せず、自社製チップのExynosシリーズを採用する可能性があるとの憶測もある。
そうした背景から、私たちはクアルコムの目標株価を、現在の市場価格211ドルを下回る189ドルとしている。
(forbes.com原文)