PS5新作『CONCORD』、「オーバーウォッチのクローン」批判相次ぐ

(c)Sony Interactive Entertainment/Firewalk

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ソニーは31日に行ったPlayStation向けゲームソフトの発表会「State of Play」で、30分間という短時間で14本のゲームを一挙に紹介したが、その中でも1つの作品にかなりの時間を割いた。約10分にわたり紹介された『CONCORD』(コンコード)は、プレイヤー同士が5人対5人のチーム対戦を楽しむ「ヒーローシューター」と呼ばれるジャンルの新作だ。紹介映像は長いCGカットシーンから始まり、その後、ゲームプレイと開発者によるコンセプトの説明がなされた。だがゲーマーたちは、その内容に満足しなかったようだ。

ネット上では、控えめなものから辛辣なものまで、『CONCORD』に対するさまざまな反応が出ている。最も多い不満は「ヒーローシューター疲れ」だ。特に、『オーバーウォッチ』そっくりのSFヒーローやロボットが登場する作品には飽きたという意見が多い。

世間の反応を測るには、ソーシャルメディアの投稿に対する人々の返信や、YouTubeを見てみるとよい。本記事執筆時点で、シネマティックトレーラーに対する反応は高評価が2500件、低評価が8400件。ゲームプレイトレーラーはさらに悪く、高評価は2800件、低評価は1万3000件だ。

その理由もわかる。『CONCORD』が今回の発表会で良い印象を与えたとは思えない。シネマティックトレーラーはあらゆる点で『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の模倣のように感じられた。ゲームプレイも、非常にありきたりな印象だ。プレイ感は良いのかもしれないが、『オーバーウォッチ』の登場と同時に構想されたゲーム内容のようにみえ、それは5年後の今となっては非常に時代遅れだ。また、基本プレイ無料のタイトルにはならないとみられる。

開発元のFirewalkは2023年にソニーに買収されたスタジオで、その時に「新規IPを一から開発中」だった。そのIPが、『CONCORD』だ。

『CONCORD』は批判を浴びているが、『オーバーウォッチ』のクローンであるヒーローシューターが必ずネット上で叩かれるわけではない。NetEaseの『Marvel Rivals』に対する反応は、はるかに好意的だ。同作はユーザーインターフェース(UI)やレベルデザインに至るまで、まさに「オーバーウォッチのクローン」と呼べるものだ。しかし、それぞれが持つスーパーパワーに基づいたスキルを使うマーベルのヒーローや悪役が多数登場するというだけで、多くのファンは興奮した。「State of Play」で紹介されたトレーラーは高評価が4900件、低評価が130件で、『CONCORD』とは対照的だ。

『CONCORD』の問題の大部分は、このIPが与える印象にあるだろう。マーベルは、数十年にわたり人気を確立したキャラクターたちの魅力で、ユーザーからの評価は甘い。それが公平かどうかは別として、どんなゲームであっても、無名のヒーローキャラクターたちが登場する5対5の対戦ゲームを発表して高い評価を得ることは、今となってはほとんど不可能だ。今回の場合、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を連想させるキャラクターたちを登場させたことも失敗につながった。

とはいえ、最も重要なのはゲーム内容だ。『CONCORD』は他のソニー製ライブサービスゲームと同様に、プレイヤーベースを拡大するためにPCでも同時にリリースされる。しかし、プレイヤーを納得させるためには、非常に高い基準を満たさなければいけないことは明らかだ。『CONCORD』は今年の8月に発売される。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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