ネット上では、控えめなものから辛辣なものまで、『CONCORD』に対するさまざまな反応が出ている。最も多い不満は「ヒーローシューター疲れ」だ。特に、『オーバーウォッチ』そっくりのSFヒーローやロボットが登場する作品には飽きたという意見が多い。
世間の反応を測るには、ソーシャルメディアの投稿に対する人々の返信や、YouTubeを見てみるとよい。本記事執筆時点で、シネマティックトレーラーに対する反応は高評価が2500件、低評価が8400件。ゲームプレイトレーラーはさらに悪く、高評価は2800件、低評価は1万3000件だ。
その理由もわかる。『CONCORD』が今回の発表会で良い印象を与えたとは思えない。シネマティックトレーラーはあらゆる点で『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の模倣のように感じられた。ゲームプレイも、非常にありきたりな印象だ。プレイ感は良いのかもしれないが、『オーバーウォッチ』の登場と同時に構想されたゲーム内容のようにみえ、それは5年後の今となっては非常に時代遅れだ。また、基本プレイ無料のタイトルにはならないとみられる。
開発元のFirewalkは2023年にソニーに買収されたスタジオで、その時に「新規IPを一から開発中」だった。そのIPが、『CONCORD』だ。
『CONCORD』は批判を浴びているが、『オーバーウォッチ』のクローンであるヒーローシューターが必ずネット上で叩かれるわけではない。NetEaseの『Marvel Rivals』に対する反応は、はるかに好意的だ。同作はユーザーインターフェース(UI)やレベルデザインに至るまで、まさに「オーバーウォッチのクローン」と呼べるものだ。しかし、それぞれが持つスーパーパワーに基づいたスキルを使うマーベルのヒーローや悪役が多数登場するというだけで、多くのファンは興奮した。「State of Play」で紹介されたトレーラーは高評価が4900件、低評価が130件で、『CONCORD』とは対照的だ。
『CONCORD』の問題の大部分は、このIPが与える印象にあるだろう。マーベルは、数十年にわたり人気を確立したキャラクターたちの魅力で、ユーザーからの評価は甘い。それが公平かどうかは別として、どんなゲームであっても、無名のヒーローキャラクターたちが登場する5対5の対戦ゲームを発表して高い評価を得ることは、今となってはほとんど不可能だ。今回の場合、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を連想させるキャラクターたちを登場させたことも失敗につながった。
とはいえ、最も重要なのはゲーム内容だ。『CONCORD』は他のソニー製ライブサービスゲームと同様に、プレイヤーベースを拡大するためにPCでも同時にリリースされる。しかし、プレイヤーを納得させるためには、非常に高い基準を満たさなければいけないことは明らかだ。『CONCORD』は今年の8月に発売される。
(forbes.com 原文)