3人の情報筋によると、新たな調達は既存出資元のライトスピード・ベンチャー・パートナーズ、およびシンガポール政府系ファンドのGICの主導によるものだ。今回のラウンドでの条件はまだ変更される可能性があるというが、同ラウンドの情報をもつ2人の投資家によれば、グラファナ・ラボは3億ドル(約471億円)から4億ドル(約630億円)を調達する計画だという。
昨年8月にフォーブスの「クラウド100」で18位にランクインした同社は当時、年換算ベースでの売上高が1億5000万ドル(約235億円)を超えたと述べていた。その後、この額は2億5000万ドル(約393億円)程度に上昇したと5人の情報筋が述べている。さらに、ある情報筋によれば、同社は2022年4月に2億4000万ドル(約375億円)を調達した際の評価額である60億ドルを今回のラウンドで少し引き上げたいと考えているという。
GICはコメントを拒否し、ライトスピードはコメント要請に応じなかった。
グラファナ・ラボは、スウェーデン人開発者のトーケル・オデガードが開発したGrafana(グラファナ)と呼ばれるオープンソース・プロジェクトから始まった企業で、初期にはデータの可視化ダッシュボードを作成する機能を提供した。オデガードはこの技術を商業化するために、2012年にIT企業のインターナップが買収したインターネット・ホスティング・サービスのVoxel(ヴォクセル)創業者であるラジ・ダットと、ヴォクセルのエンジニアだったアンソニー・ウッズらと会社を立ち上げた。
グラファナ・ラボはその後、5000社以上の顧客がデータベースのメトリクスを照会、視覚化、理解できるようにするツール群をリリースし、その過程でライトスピードやGIC、セコイア、コーチュー・マネジメントなどの投資家から資金を調達した。同社は現在1000人以上の従業員を擁し、共同創業者は3つの別の大陸を拠点としている(CEOのダットは米国、昨年までCTOを務めていたウッズはオーストラリア、技術開発に専念するオデガードはスウェーデンにいる)。
VC投資が再び活発化の兆し?
今回のグラファナ・ラボによる資金調達は、テック系スタートアップに対して投資家からの資金流入が再び始まった兆候の1つなのかもしれない。フォーブスは先日、防衛テックのスタートアップHelsing(ヘルシング)が既存投資家のゼネラル・カタリストの主導によって40億ドルの評価額で新たな資金調達を計画していると報じた。さらに、クラウド分野ではKlaviyo(クラビヨ)やRubrik(ルーブリック)らがここ数カ月で新規株式公開(IPO)を果たしている。グラファナ・ラボの資金調達を直接知る関係者によると、新たな投資家もこのラウンドへの参加に興味を示しているという。しかし、既存投資家がこの調達を主導するという事実は、すでに同社にコミットしているこれらの投資家が、現在の情勢では強気すぎると思われる条件でも賭け倍増させることを厭わないことを示唆しているのだろう。
(forbes.com 原文)