AI

2024.05.29 11:30

AIを組み込んだ「アプリケーション生成プラットフォーム」の台頭

より大規模な機能セット(あるいはアプリケーション全体)の生成を実現させるため、コアとなるオーサリング体験は、効率的かつ視覚的な媒体を通じた自然言語プロンプトとその後のイテレーションからなるサイクルになるだろう。効率的かつ視覚的な媒体とは、描画、GUI(グラフィックユーザーインターフェース)、視覚的なローコードモデル、ドメイン固有言語(DSL:ある特定の目的を達成することだけに照準を絞った、独自の言語環境)といったものだ。カスタムコンポーネントや拡張機能、可視性に関するローコード生成も中心になるだろう。

そして重要な点は、この生成プロセスをサポートするAIモデルに、ビジネスや業界の「専門知識」と「ベストプラクティス」が織り込まれることだ。そして、その結果として「ソフトウェア開発」と(ビジネスの卓越性が理論的にあらかじめ定義されている)「アプリケーション製品」の区別がなくなることだ。

短期的に見ると、乗り越えるべきハードルはいくつかある。現時点におけるほとんどの自然言語ベースのAppGen機能は「単純なもの」の生成にしか適さないし、パブリックLLM(大規模言語モデル)の使用に伴う、よくあるセキュリティーやプライバシーの懸念もあてはまる。

だが、AppGenは机上の空論ではない。その構成要素はすでに存在しており、ひな型となるささやかな実例もすでにある――たとえばある企業は、海上コンテナの管理を支援する物流アプリの生成体験について語っている。

AppGenに関しては、ローコード開発プラットフォームのベンダーが先行しており、現時点ではこの分野の標準的な担い手になっている。だが、グローバルな巨大企業やエンドツーエンドの開発プラットフォーム、新規参入のスタートアップも重要なプレイヤーになりそうだ。

AppGenが成熟すれば、ソフトウェア開発ライフサイクルの各種のステップと役割が圧縮されて曖昧になり、開発の民主化と迅速化が進む。アプリの設計・提供においてリアルタイムのコラボレーションが可能になる。

ダイナミックなエンドユーザー体験が実現し、ソフトウェア開発業界だけでなく、ソフトウェア全般の在り方が変わることになるだろう。AppGenプラットフォームは今後3年で成熟する、とわれわれは推測している。

forbes.com 原文

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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