フォーブスの試算によるとフアンの純資産は23日、80億ドル(約1兆2500億円)以上増え、920億ドル(約14兆4300億円)に達した。これはエヌビディアの株価が10%余り上昇し、1株あたり1000ドル(約15万6800円)を超えたためである。
フアンは1993年に共同設立して以来CEOとして率いてきたエヌビディアの株式を3.5%保有しており、純資産の大部分はこれを源泉としている。
フアンの資産額は、フォーブスの2020年長者番付では47億ドルだった。2023年初頭に135億ドルまで増やした後は、驚くべき勢いで富豪の階段を駆け上っている。投資家がエヌビディアの飛躍的な収益成長に夢中になり、株価の急上昇を招いた結果だ。
エヌビディアは生成AIの電力供給とデータ保存に欠かせない半導体を設計している。フアンは22日、同社のGPU(画像処理装置)への需要は供給をはるかに上回っているとして、堅調な収益力をアピールした。同日午後に発表された同社の第2四半期決算は、年間利益が前年比600%以上増加。好決算を受けて株価が上昇し、世界第3位の同社の時価総額は1日で2200億ドル(約34兆5200億円)増えて、2兆6000億ドル(約407兆9000億円)に達した。これはバークシャー・ハサウェイ、JPモルガン・チェース、テスラの評価額の合計を上回る。
エヌビディアは株式分割を前に四半期配当金を150%増の1株当たり10セントに引き上げており、来月フアンが受け取る配当金額は870万ドル(約13億6500万円)に上る。もっとも、メタのマーク・ザッカーバーグCEOが受け取る四半期配当金は約1億7500万ドル(約274億5800万円)であり、それと比べれば大した金額ではない。
ウォール街のアナリストらはフアンとエヌビディアを高く評価しており、ウェドブッシュ証券のダン・アイブスは顧客向けメモの中で「AIのゴッドファーザーであるジェンスンとエヌビディアは、またもや傑作の四半期を送り出した」と絶賛した。
(forbes.com 原文)