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経済

2024.05.24 13:00

なぜ金持ちはより裕福に、貧困層はより貧しくなるのか? 「K字型」経済を読み解く

ウーバー、インスタカート、ドアダッシュなどテック企業が牽引するギグエコノミーの急増は、キャリアアップや上昇志向を実現する道を狭めている。企業は経費を節減し人件費を抑制するため、ギグワーカー、契約社員、派遣労働者を雇用する。専門的なスキルや資格を有する労働者は、臨時雇用に頼らざるを得ず、いつ契約が打ち切られて再び仕事探しに追われることになるかと常に心配している。

節約して貯めたわずかなお金も、購買力の低下によって食いつぶされてしまう。加えて、人工知能(AI)の急速な台頭と普及は、やがて自分の労働力がテクノロジーに取って代わられるかもしれないという憂鬱な不安を呼び起こす。

所得格差の傾向

インフレは「隠れた税金」であり、家庭の購買力に直に影響する。だが、その負担はさまざまな所得や富の階層に不均等に分布している。

この傾向が続けば、貧富の差が大幅に拡大しかねない。経済協力開発機構(OECD)によれば、これは社会不安、政情不安、経済全体の生産性低下につながる恐れがある。しかし、最低賃金の引き上げ、中間層を対象とした減税、教育や職業訓練への投資といった政策を政府が導入すれば、格差縮小の一助となるだろう。

テクノロジーが仕事に及ぼす影響は、諸刃の剣だ。自動化は一部の労働者の職を奪うかもしれないが、新しい機会を生み出す可能性もある。再教育プログラムを立案し投資することで、誰もが技術の進歩から恩恵を受けられるようにできるはずだ。

家庭が経済的な負のスパイラルに陥る理由

米国の家庭は、インフレ、商品・サービスの価格高騰、高額な医療費、政府債務の増大と社会事業への支出削減などの要因により、経済的苦境に立たされている。

収入が低ければ、貯蓄で資産を築くのは難しい。住宅ローン、自動車ローン、学生ローン、高金利のクレジットカードから生じる借金のため、毎月高額な返済に追われる羽目になる。失業すると、なけなしの貯蓄をすぐに食いつぶしてしまうため、状況はさらに悪化する。

経済基盤を構築できない限り、多くの人々は投資も蓄財もやりようがないのだ。緊急時資金を使い果たしてしまうと、蓄えを再建するのが難しくなる。大掛かりな治療を必要とする予期せぬ入院・通院などが発生すれば、家計は破綻し、自己破産を申請せざるを得なくなることもある。

forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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