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2024.05.22 13:00

欧州自動車大手3社、「新疆ウイグル製部品」の使用が問題化

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米当局が中国の新疆ウイグル自治区における強制労働で製造された製品の取り締まりを強化する中、BMW、ジャガー・ランドローバー、フォルクスワーゲンの3社が、禁止対象の中国のサプライヤーから部品を購入し、その一部が米国に輸入された車両に使用されていたことが米上院の調査結果で明らかになった。

米国時間5月20日の上院財政委員会の報告書によると3社は、米当局が強制労働への依存を指摘した企業の四川経緯達科技集団(JWD)が製造したLANトランス(自動車の電子部品同士の通信を可能にするパーツ)を購入していた。

この部品は、自動車用電子機器メーカーのLear Corp(リア・コーポレーション)が販売したもので、同社は1月、禁止されている部品を含む電子ユニットを、それとは知らずに自動車メーカーに販売したことを通告した、と報告書は述べている。

フォルクスワーゲンは当時、米国に輸送中の車の一部にこの部品が含まれていることを米国の税関に伝え、その後、入国前に部品を交換した。ジャガー・ランドローバーは委員会に対し、北米の子会社がリア・コーポレーションからこの部品に関する通知を受け取ったのは4月になってからで、その部品はもう販売されていない古い車両に使用されていたと説明した。

BMWは、この部品の輸入を停止し、使用されていた部品の交換を行うとしているが、通知を受けた後、禁止された部品を搭載したMINIを少なくとも8000台、米国に輸入したという。

BMWはフォーブスに宛てた声明で、報告書の内容を精査していると述べ、同社が「雇用慣行や人権、労働条件に関する厳格な基準と方針」を持っており、サプライヤーもそれに従うことが求められていると付け加えた。

ジャガー・ランドローバーとフォルクスワーゲンは、コメント要請に直ちに応じなかった。

上院財政委員会の民主党のロン・ワイデン委員長は、ニューヨーク・タイムズ紙に対し、「自動車メーカーは現実から目を背け、サプライチェーンに強制労働はないと強弁している」とコメントした。

フィナンシャル・タイムズ紙によれば、フォルクスワーゲンでは2月、中国の部品がアメリカの強制労働防止法に違反したため、ポルシェ、ベントレー、アウディといったブランドで数千台の出荷が遅れたという。この部品が1月に発見された後、米国の税関職員は3月にかけて港でこれらの車両を押収していた。

米国では2022年に新疆ウイグル自治区における強制労働にかかわる製品の輸入を禁止する「ウイグル強制労働防止法」が成立し、上院財政委員会は大手自動車メーカーへの調査を開始した。

新疆ウイグル自治区を拠点とするいくつかのメーカーが、強制労働を行なっているとして米国土安全保障省から警告を受けており、そこにはJWDも含まれている。中国当局は、同国が新疆ウイグル自治区での強制労働に依存しているという主張を否定している。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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