さて、SXSWには「ミートアップ」と呼ばれるネットワーキング目的の交流会が多数用意されている。「テイラー・スウィフトのファン」「アジアのクリエイター」「イベントテック」など、興味深いカテゴリーが並ぶ。誰しも、少なくとも一つは参加できるカテゴリーがあるのではないか。筆者は勇気を出して「オーサー」のミートアップに参加。漫画家や脚本家と仲良くなり、リンクトインでもつながることができた。
ダウンタウンの各地で展開されるパーティーも、ネットワーキングに適した場だ。ただし、パーティーは数が多すぎて、どれに参加すればいいか判断が難しい。また、そもそもパーティーの情報を得る機会は少ない。
筆者は、貼り紙と口コミで参加するパーティーを絞った。会期中、ダウンタウンの至るところにパーティーやイベントのポスターが貼り出される。ポスターを見れば、おおよそどんな内容なのかが想像できる。「未来予測」がSXSWのカンファレンスの主要テーマのひとつだが、情報の届け方がアナログな点は興味深い。また、口コミも重要だ。筆者が参加したパーティーは、情報があまり出回っておらず、「シークレットパーティー」だったと思われる。パーティー主催者の一人から直接招待を受け、参加できた。こうしたパーティーは基本的に口コミで情報が広がっていく。
洗練されたデザインの力
SXSWほど、デザインの力を感じるイベントはない。ロゴだけでなく会場の装飾や写真撮影用の背景パネル、そしてフラッグ。どれもこれも隙がない洗練されたデザインだ。極めつきは公式グッズである。ボールペンにマグカップ、バッグ、キャップ、Tシャツ、襟付きシャツ。カンファレンスのメイン会場などで販売されており、人気商品は会期中に売り切れる。筆者の参加してきたカンファレンスは、そもそもグッズの販売がないので、大勢の人が公式グッズを買い求める姿が新鮮に映った。