ショービジネスの闇も会見で暴露
ミン・ヒジン代表は、世界的にブレークした女性アイドルグループのNewJeansを育てる以前にも、前の会社であるSMエンタテインメントに在籍していた頃から、そのショービジネスに関する素晴らしい才能を発揮してきていた。例えば、日本でもヒットした少女時代の「Gee」という曲のMV(ミュージックビデオ)では、ジーンズに白いTシャツというファッションコンセプトを考え出した。同じくEXOという男性グループの「ウルルン」という曲の印象的なコスチュームも彼女のアイデアだ。
また、5人組女性アイドルグループRed Velvetの「Ice Cream Cake」と「Automatic」という曲では本格的にMVのディレクターも務めており、SNSを活用するプロジェクトでもだいたい彼女の名前がクレジットされていた。
さらに彼女は、SMエンタテインメントを辞めた後にHYBEに入社することになるが、2021年に「Big Hit Entertainment(ビッグヒットエンタテインメント)」から現社名に変更される際にも、新社名のブランドデザイン総括を担当している。また現在のHYBEの社屋の空間デザインや設計にも参加しているという。
そのような実績から、2023年には 「BILLBOARD WOMEN IN MUSIC」にも選ばれている。
そんな実力派のミン代表が開いた記者会見だけに、その内容も多くの共感をもって迎えられたのだ。それだけでなく、記者会見で着ていた洋服やキャップが完売したり、履いていたクロックスも人気となったりして、彼女はファッションでも注目されることになった。
またミン代表は、記者会見で「商道に合わず、消費者のことを考えていない、いまのCD市場は異常だ」と、ショービジネスの闇も暴露した。彼女の言う異常な市場とは、「ランダムフォトカード販売」や「CDの押し出し」のことである。これまでも暗にK-POP界の弊害と言われていたが、これを彼女が公にした。
アイドルの所属事務所は、フォトカードをCDに挟んで販売しているが、それにはそれぞれ何種類かの異なるフォトカードが入れられている。これがランダムフォトカード販売だ。そのためフォトカード欲しさに同じCDを爆買いし、開封するとすぐにカードだけを取り出し、不要なCDは捨ててしまうファンも多い。
また「CDの押し出し」とは、中間販売業者にCDの一定量を購入するように強要する行為で、先に買わせてコンサートなど大量に売れるときに販売させる仕組みを指す。
親会社への反旗だけではなく、これらの不当なアイドル商法も、ミン代表は記者会見で暴露したが、その後、X(旧ツイッター)に「アイドルグループSEVENTEENのCDが日本の渋谷の公園で大量に捨てられていた」という内容の投稿があり、激しい論争となった。
実際、推しのアイドルのサイン会に行くために何百枚もCDを爆買いしたという動画も流れている。