韓国ではペット市場が急速に拡大 食べ物から香水まで飼い主と同じものを

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最近、韓国のデパートで興味深い光景を目にした。ベビーカーを押しながらやってくる人がいたので、たまたまなかを覗いてみると、かわいいワンちゃんと目が合った。

ソウルの街中でも同じような状況によく遭遇する。そんなとき、近くにいる年配の女性が「赤ちゃんがいると思ったら動物がいる」と罵ることもある。だが、これが韓国のいまの現実だ。

実際、昨年、1四半期から3四半期、犬や猫などのペット用ベビーカーの販売が子供用ベビカーを追い越した。出生率の低下とは逆に、ペットを飼う人口が増加していることによるものなのだ。

韓国では4人に1人がペットを飼っている

最近、韓国では、ペット市場が急速に拡大して、「ペット」と「ラグジュアリー」を組み合わせた「ペットジュアリー」という新造語も生まれた。ペットを家族のように扱い、惜しみなくお金をかける人たちが増えたからだ。

また、「ペットヒューマニゼーション(ペットの人間化)」、「ペットファム族(Pet+Family)」という新しい言葉もできた。ペットに対して人間のように接する場合が増えているからだ。

それらにつれて、ペットの衣食住に費やす金額も増えている。ペットフードのおやつや栄養食などは、人が食べても良いくらい上質になっており、その境目が曖昧になりつつある。

餃子やジャージャー麺、唐揚げ、ケーキなどは、人間用なのかペット用なのか区別がつかないほど立派なものになった。人間より寿命の短いペットには、健康面もきっちり考えられており、ペットフードは栄養バランスも抜群だ。

韓国ではもともと猫の飼い主となる人を「執事」と呼んでいたが、最近は犬を飼う人に対しても「執事」と呼んでいる。

現在、韓国でペットを飼っている人口は1500万人、ペットを飼っている世帯数は602万世帯で、韓国の人口(約5100万人)の4人に1人という計算になる。韓国農村経済研究院の発表によると、ペット関連産業は毎年平均14.5パーセントずつ伸長しているという。
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文=アン・ヨンヒ

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