皆口:その「なにか」がある作品こそが、時代も国境をも越える可能性があると思います。
——どんな視聴者をターゲットにしていますか?
大森:今はそれぞれ興味が明確に分かれていて、タコツボ化している時代。だからこそ、今不気味をなものを観たがっているタコツボがあるならば、我々が満杯にしたい。100%の出力でタコツボに入れ続けた結果、話題になって外に滲み出てくる、というイメージです。
寺内:タコツボを間違えないようにしないといけないですね。
——3人のコンテンツのファンは、同じタコツボにいるのでは?
大森:それが、そうでもなくて。例えば僕の「祓除」(2023年)と「フェイクドキュメンタリーQ」のコメント欄って微妙に違うんです。「Q」は細かく分析して考察するコメントが多いんですが、「祓徐」は割とわかりやすく入れた加工への指摘がなくて。出す媒体や制作スタッフによって着眼点や褒める点、けなす点が変わるのは、面白い現象ですよね。
「TXQ FICTION」のメインビジュアル Ⓒテレビ東京
——「TXQ FICTION」の今後は?
大森:個人的には、作品を積み重ねていきたいと思っています。目指しているのはDVD化。視聴者の方が、配信ではなくてフィジカルで取っておきたいと思ってくださるようなシリーズをつくりたいですね。それと、子どもの原体験になったら嬉しい。
寺内:今フェイクドキュメンタリーをやっている人たちの共通の原体験として、「放送禁止シリーズ」(フジテレビ、2003年〜)がありますもんね。そんなシリーズになれば。
——楽しみにしています!