千葉大学の清野宏卓越教授らによる研究チームが開発中のムコライスは、コレラ、インフルエンザウイルス、RSウイルスを対象としたコメ型経口ワクチン。注射ではなく、粉末にしたものを水に溶かして2週間隔で4回投与する(飲む)というもの。基本的にお米なので、常温で保管できるため、冷蔵設備のない発展途上国や電気が途絶えた被災地域などに届けることができる。
2021年には東京大学と千葉大学によってそのヒトでの安全性と免疫原性が確認されているが、今回、開発の基本となる型「ワクチンプラットフォーム」の創出に向けて、千葉大学は朝日工業社と共同研究を進めることになった。植物工場で実績のある設備工事企業、朝日工業社と千葉大学は、以前からムコライスの安定的な栽培に向けた研究を続けている。一度は、実験室レベルから量産レベルへとスケールアップする際に多くの課題に直面したが、省エネ型LED照明の導入や空調環境の整備によって問題を解決し、実用化に迫っている。
ムコライスのワクチンプラットフォームが構築されたなら、今のワクチン環境に大きな改革がもたらされるだろう。注射しなくていいのは、とにかくありがたい。
プレスリリース