アフマドはX(旧ツイッター)への投稿で、『リバース』の販売本数は、同時期の前作『FINAL FANTASY VII REMAKE』(以下、リメイク)の「半分」にとどまっており、長期的な売れ行きも『リメイク』に劣る見通しだと指摘した。
これにはいくつかの要因がある。ひとつは、『リメイク』が発売された2020年春はちょうど新型コロナウイルスの流行が始まり、ゲームの売上とプレイ時間が急増したこと。
もうひとつは、『リバース』の内容だ。同作はナンバリングタイトルではなく、『リメイク』から直接つながる第2部であるため、プレイヤー層の裾野が狭くなる。例えば、テレビドラマの第2シーズンは、よほど口コミで評判が広がっていない限り、視聴率が低下する傾向にある。
『リメイク』も『リバース』もレビューでの評価は高い。批評サイト「メタクリティック」での評価は、『リメイク』は批評家スコアが87点、ユーザースコアは8.1点。一方の『リバース』の評価はさらに高く、批評家スコアは92点、ユーザースコアは9.0点だ。
ただし、『リバース』の評判がいくら良くとも、非常に長い『リメイク』をプレイせずに購入するわけにはいかない(前作未経験でもプレイできないことはないが、面白さは減る)ため、売れ行きに大きな悪影響を生んでいるとみられる。FF7リメイクプロジェクトの第3弾も出る予定だが、この下降傾向が続くのであれば、芳しくないだろう。
また、スクウェア・エニックスがPlayStationと独占契約を結ぶべきだったかどうかについては、かなり前から議論が続いている。『リバース』はPS5独占タイトルとしてリリースされており、これはPSに資することは確かではあるものの、販売本数は大きく制限される。一方の『リメイク』は現在、PS5、PS4、PCでプレイ可能だ。PS5のハードの売れ行きは好調だが、ソフトの売り上げはハードの販売台数に厳しく制限されてしまうため、スクウェアは今後、販売本数を増やすために対象ハードを拡大することになるだろう。
『FINAL FANTASY』はゲーム史上最大級のIPであり続けているが、スクウェアは少し苦戦しているようだ。その理由はおそらく、ゲーム自体の質ではなく、そのリーチにある。2023年に発売された『FINAL FANTASY XVI』も売れ行きが振るわなかったと言われているが、その真偽ははっきりしていなかった。今回は『リメイク』と『リバース』を直接比較できるので、状況が異なる。『リバース』の発売時の売れ行きが『リメイク』に劣っていたことは確かであり、その後も同様の傾向であったと考えるのは自然なことだ。スクウェアが近い将来、決算短信などで販売本数を明らかにするかどうかに注目したい。
(forbes.com 原文)