働き方

2024.04.01

週休3日制は「生涯現役」につながる、仕事が楽しいものになる

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米国で週休3日制(週4日労働)が受け入れられつつある。法制化されたからではなく、逆説的だが人々がこれまで以上に仕事好きになったからだ。

週休3日制が徐々に制度化されることで魅力的なのは、週7日労働や、週4日働く生産性の高い労働者がこれまでになく長時間労働すること、そしてこれまでにも増して仕事に熱中する中で引退を敬遠する気持ちが高まることを現実的に予見させることだ。

これは筆者が2018年に出版した『The End of Work』で主張したことと一致する。読者に覚えていてほしいと思い、自身の名を冠した「タムニーの法則」について書いた。その内容は次のようなものだ。

「成功するにつれて怠慢は減る。このため仕事の選択肢が広がり、みなが自身の才能を最も引き立たせる仕事ができるようになる」

週休3日制は大きな成功の兆しだ。そして、この成功がもたらす確かな効果は、米国人がこれまで以上に働くようになることだ。週休3日制は必然的に週7日労働につながる。

なぜこのようなことが起こるのか、現実的なことから考えてみよう。週4日「だけ」オフィスにいない人、あるいは週4日働くことを求められる人が増えていると仮定して、そうした労働時間が短くなった人々は娯楽をもっと求めるようになると考えられる。

つまり、レストランや映画館、遊園地、その他まだ生まれていない数え切れないほどの娯楽施設の閑散とした時間や曜日が、時間とお金の両方を手に入れた豊かな人々によって徐々に埋められていくことを意味する。このことは前述の自著に書いた。米国経済は農業経済から製造業を中心とする経済、そしてサービス経済へと移行してきた。筆者が自著で予測した米国の「次の経済」は「娯楽経済」だ。

デスクに縛られる時間が短くなるとともに労働者の生産性が高まると、そうした短時間で稼げる豊かな人たちは、再び何かで楽しみたいと考えるようになるだろう。前述のことを思い出してほしい。レストランや劇場、ショッピングモール、その他の娯楽や憩いの場に足を運ぶ人がこれまで以上に増えることに加えて、幼少期に好きだったことを生業にする人が増え、娯楽経済が栄えるだろう。メイクの仕方やビデオゲームの遊び方、インターネットの活用法などを紹介してかなりの収入を稼ぐ人たちがすでにいる。週休3日制が浸透すれば、せずにはいられないことをして大金を稼ぐ人がますます増えるだろう。
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翻訳=溝口慈子

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