欧州

2024.03.26 16:30

プーチンによる偽情報作戦、ソーシャルメディアで裏目に出る可能性

Free Wind 2014 / Shutterstock.com

「ロシアは、国民が耳にする他のすべての情報の信憑性を疑うよう、ISIS-Kが関与しているという真実に偽情報を混ぜ合わせ、『うそつきの配当(利益をうそをついた側が得ること)』で本質的に事態を混乱させるために陰謀論を使っている」とシュミットは警告した。「嘘と真実の区別がつかないような状況を作り出している」

ソーシャルメディアで事実関係が明確に?

おそらく大多数のロシア人はウクライナ側の関与否定を耳にすることはないだろうが、ロシア大統領府は全世界からの情報の流入を完全に遮断することはできない。今回の攻撃の背後に誰がいたのか、ソーシャルメディアは事実関係を明確にするのに役立つ可能性がある。
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ロシアはこれまで以上に宣伝組織を強化せざるを得なくなるかもしれない。

米ミシガン大学情報学部の学務担当副学部長のクリフ・ランペ教授(情報学)は「ソーシャルメディアに関して我々が過去に目にしたことの1つは、政権がすばやくソーシャルメディアに適応するということだ」と説明した。

「偽情報作戦の戦略の1つは『フラッディング』だ。この手法では、人々が全情報の選別を諦めるように仕向けるために、ある筋書きを推し進めようとする人々がソーシャルメディアのチャンネルをさまざまな情報で溢れ返らせる」とランペは話した。「ソーシャルメディアがフラッディングに弱いのは、国家統制に耐性があるのと同じ理由だ。つまり誰でも発信できるためだ。だが、フラッディングはますますうまく機能しているようで、代替情報を提供する場としてのソーシャルメディアの能力を妨げているかもしれない」
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それでも、誤情報を溢れ返らせる手法は、他の権威主義国家が展開してきたネット検閲システム「グレートファイアウォール」ほどの効果はないかもしれない。

「プーチン最大のミスは、ロシアのインターネットを封鎖しなかったことだ」とシュミットは指摘した。「中国やイランのように外部からの情報を遮断するファイアウォールがない。2000年代初めにプーチンはインターネットを軽視し、その潜在力を理解していなかった。その結果、ロシアのインターネットは世界とつながっている」
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翻訳=溝口慈子

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