AIによるフェイクコンテンツ防止へ、パートナーの輪が広がる
アドビが主体になって運営する団体「コンテンツ認証イニシアチブ(CAI)」では「Coalition for Content Provenance and Authenticity(C2PA)」により策定されたデジタルコンテンツの来歴証明技術を採用しながら、生成AIがつくるデータについてもその信憑性を担保し、出所を明らかにする技術の標準仕様を普及促進している。Adobe Fireflyで生成された画像データにもC2PAの来歴情報が付与される。今年に入ってからメタやOpenAIが、AIにより生成された画像にC2PAの規格に準拠するメタデータを自動的に付与する技術の導入を発表した。2月にはグーグルもC2PAのメンバーとして団体に加入している。続く3月12日には日本放送協会(NHK)が日本のメディアとして初めてCAIのメンバーになることを表明。なお昨年11月にはソニーがC2PAに参加することを発表している。同社は今年の春に、デジタル一眼レフカメラの「α9 III」と「α1」「α7S III」にソフトウェアアップデートを提供して、写真データを記録する際にC2PAの規格に沿ったカメラ内デジタル署名技術を提供することを明らかにしている。
アドビでは企業向けにAdobe Fireflyのエンタープライズ版も昨年の9月から提供を開始している。米IBMでは商用利用可能な生成AIを、同社のクリエイティブとマーケティングチームのワークフローに積極的に組み込んだ。その結果として生産性の向上やサービスの市場投入を加速させることにも結び付けているという。米国時間の3月27日には、アドビのデジタルエクスペリエンスに関連する成果を報告する年次カンファレンス「Adobe Summit」が開催を予定している。この機会にもAdobe Fireflyの活用事例や新しくアップデートされる技術の詳細などが語られるだろう。
連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
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