AcrobatのAIアシスタントなど、次世代の技術も導入間近
ほかにも英語ベータ版のみの提供になるが、PDFドキュメントの作成・編集・管理ツールであるAdobe Acrobatに独自のAIアシスタントも追加された。アシスタントが「できること」にはPDFファイルの内容をチャット機能で生成・編集したり、ドキュメントの要約作成などがある。アドビ日本法人のCDO(Chief Digital Officer:最高デジタル責任者)である西山正一氏は、他社サービスと比べた際の特徴について「指定したドキュメントから着実に要約情報を取り出せる精度の高さと、実際の知的資産から有効活用ができるメリット」などを会見の壇上で挙げた。
ほかにもアドビの研究開発部門が現在手がけている、2つの生成AIを使った次期新機能を「Sneaks」として西山氏がプレビューを見せた。
1つめのプロジェクトは「Dubbing & Lip Sync」ユーザーが撮影したビデオのダイアローグ(会話音声)に、話者の声色のまま多言語翻訳を生成付与する機能だ。同時に話者の口もとの動きと音声のリップシンクも整える。英語のほか仏独西などアルファベット系の言語をベースに鋭意開発を進めていることが明らかにされた。機能のイメージを紹介するビデオが米アドビのYouTube公式チャンネルに公開されている。
2つめのプロジェクトは「Project Music GenAI Control」という名称。ひと言で言えば「アドビの音楽生成AI」だ。シンプルなメロディを肉付けして「オーケストラ風」や「ヒップ・ホップ風」のアレンジにAIが仕上げる事例が、同じくアドビのYouTube公式チャンネルに公開されている。オリジナルのBGMをコマンドプロンプトから簡単に作れる機能も想定しているそうだ。
どちらのSneaksのプロジェクトもまだ試作段階のものであるため、ローンチ次期の見込みなどは明らかにされていない。自動翻訳、音楽制作ともにアドビが競合するビッグ・テック企業やスタートアップが先に力を入れている領域でもある。今後アドビらしい独自性を加えたプロダクトとして発表があることを期待したい。