「無料かフルプライスか」の二者択一ではない
今ではほとんどすべてのライブサービスゲームが、基本プレイ無料か、フルプライスである70ドル(日本では7000~9000円)のどちらかであるようにも思える。プレイ開始からすぐに多額の課金が必要になるゲームには、70ドルは出しにくい。だが、最近の大ヒット作である『Palworld / パルワールド』と『HELLDIVERS 2』は30~40ドル(3000~5000円弱)の中価格帯で発売されており、それが成功の一因となっている。ゲーム販売会社側は、プレイヤー数を増やすためには基本プレイを無料にする必要があると主張するかもしれないが、良いゲームを作ればプレイヤー数は自然に増えるはずだ。あるいは、投資を取り戻すために70ドルで売る必要があると主張するかもしれないが、そもそもゲーム開発に3億ドル(約450億円)も費やす必要はないのかもしれない。
第1にゲームプレイ、第2にコミュニティー
『HELLDIVERS 2』は、表面的には単なる協力型ゲームだが、プレイヤー同士のフレンドリーファイア(誤射)や、間一髪の脱出、恒星系全体を舞台とした戦争など、このジャンルにひねりを加えたことで、他のどのゲームよりもおもしろくなっている。こうした要素はいずれも、シーズンやバトルパス販売の促進を目的に設計されたものではない。また、Arrowheadはユーモア要素も積極的に取り入れ「民主主義」を広げるコミュニティーを構築し、マーケティングじみたものではないムーブメントを生み出した。『HELLDIVERS 2』の成功にはさらに多くの要因があるが、その根幹にあるのは上記の点と思われる。失敗作の多くは、これらのルールのどれにも従わずに、他のヒット作に追随しようとしている。だがそのようなゲームを作っても、ほぼ確実に失敗するだろう。本記事で挙げた4つの点は、『HELLDIVERS 2』が失敗を免れた主な要因だ。
(forbes.com 原文)