「これは必然的に、軍に納入される車両の大幅な減少を意味する」とワトリングとレイノルズは書いた。だが、古い在庫が底をつくまではそうならない。2、3年後になるかもしれない。
ロシアが大規模な機械化部隊を先頭にこれまでのような戦い方をするつもりなら、産業面でよほど大きなサプライズがない限り、既存の戦闘力を使い果たし、損失を埋め合わせられなくなる日が刻々と迫ることになる。
ウクライナはロシアより長く持ち堪えることを目指すかもしれない。だがウクライナの産業はロシアよりはるかに制約が多いため、ウクライナはロシア以上に同盟国に依存している。
つまり、ウクライナは過酷な消耗戦に勝つことは可能だが、それは支援があればの話だ。「ウクライナの同盟国が2024年にロシアの攻撃を鈍らせるのに十分な弾薬と訓練を(ウクライナ軍に)提供し続ければ、ロシアが2025年に大きく前進する可能性は低い」とRUSIの2人は書いている。
そして「ロシアが攻撃作戦のために戦力の質を向上させることができず、2025年に前進できる見込みがないのであれば、2026年までにウクライナを降伏させるのに苦労することになる」とも指摘している。
その上で「2026年以降は車両の消耗によってロシア軍の戦闘力は著しく低下し始め、一方でその時点でロシアの産業は崩壊状態に陥る可能性があり、ロシアの展望は時間とともに厳しくなる」と見通している。
当然のことながら、ウクライナにとって問題なのは、最大の同盟国である米国がここ2カ月近く、追加の支援を行っていないことだ。米議会のロシア寄りの共和党議員たちは追加支援案の採決を拒否しており、態度を軟化させる兆しもない。
そのためウクライナ軍は、米国より予算が少ない欧州の同盟国だけを頼りにあと2年間持ち堪えてロシア軍を消耗させなければならない。
(forbes.com 原文)