ビジネス

2024.02.09

終わるまで帰れず、完了すれば飲める 「確定申告カフェ」「経費精算バー」とは

「仕事で使った領収書や請求書が溜まっている」「経費精算が全然できていない」「精算が面倒」。そんな人たちが一堂に集まり、黙々と経費精算をする「経費精算カフェ」なる新(珍?)名所が、高円寺三角地帯(「座・高円寺」の少し先)にある。

去年2月と3月には、「経費精算カフェ」の季節限定版として、この同じカフェで「確定申告カフェ」が各回定員10名で行われ、いずれも満席だった。

「経費精算カフェ」の「居抜き」であるため同カフェと同様、全席電源コンセント付き、スキャン機材無料貸し出し、高速Wi-Fi、(申告準備が終わるまでは)ホットドリンク飲み放題、など設備面でも充実で好評だった。

今年も「確定申告カフェ」は2月18日と3月6日に開催される(基本情報は記事末に)。
このように盛況な「精算/申告カフェ」だが、ちなみに今年は六本木のバーで2月27日、15名限定の「経費精算カフェ」(正確には「経費精算バー」だが)が開催される予定だ。

確定申告をするには完璧な環境

2月、3月の2日限定の「確定申告カフェ」、わからないことはその場で、店長である脇田弥輝税理士事務所代表の脇田弥輝税理士に質問する事ができる。また、ScanSnapが常備されているため、レシートや領収書が一気にPDFスキャン可能だ。
最近の「経費精算カフェ」の様子から

写真は、最近の「経費精算カフェ」の様子

最近の「経費精算カフェ」の様子から

写真は、最近の「経費精算カフェ」の様子

他にも下記のようなサービスがある。

・PFU製ドキュメントスキャナー「ScanSnap iX1600」を利用可能

・ホットドリンク飲み放題(ドリップコーヒー・紅茶・日本茶など)

・全席電源コンセント/USB高速充電器付き

・高速Wi-Fi(2.4GHz/5GHz)

・全席お尻が痛くならないジェルクッション

・マウス/USB-C電源アダプター無料レンタル

・ソフトドリンク&アルコール(別料金:店内にてオーダー可能)

「確定申告カフェ」のルール


そんな「確定申告カフェ」にはいくつかのルールが存在する。
最近の「経費精算カフェ」の様子から

写真は、最近の「経費精算カフェ」の様子

・「確定申告」を目的とした人しか入店できない

・入店時に店長に「確定申告」の目標を宣言すること

・立てた目標に到達するまで退店できない

目標を達成した後は、アルコールを飲みながら、店長や客同士で質疑応答など会話を楽しむことができ、確定申告の作成を通して充実した時間を送ることができる。

店長である税理士の脇田弥輝氏に聞いてみた。

店長で税理士の脇田弥輝氏

店長で税理士の脇田弥輝氏

──昨年も3月4日に開催されたようですが、主たる利用者は個人事業主でしたか、会社勤めの人の利用もありましたか。経費申請での利用者と比べて、属性には違いはありましたか?(「フリーランス限定」でしょうか)

普段の「経費精算カフェ」は個人事業主以外の方もいらっしゃるのですが、「確定申告カフェ」は個人事業主や副業をしている方ばかりでした。「フリーランス限定」とはしていませんが、確定申告を仕上げよう!という個人事業主さんが多いですね。

─インボイス制度が入ったことは、確定申告にも影響があるのですよね。

はい。今年、初めて消費税の申告をする方も多いと思います。これまで、所得税の確定申告はしたことあるけど、消費税の申告ってどんなの?という方も多いかなと。

また、所得税や住民税は経費にならないけど、消費税は経費になるということもお伝えしておこうと思います。

──昨年開催されてみて、「経費申請カフェ」と比べて、雰囲気にはどのような違いがありましたか? 

みなさん、とても集中していて、質問もずーっとひっきりなしにある感じです。でも、参加者さん同士で、スキャンしたデータを会計ソフトにどう取り込むか教え合ったり、他の人の質問を聞いて自分も……など、狭いカフェなこともあって、一体感があります。

──「経費申請カフェ」と比べて、滞在時間はどうでしたか? 長かった?

時間は3時間で区切っていて、確定申告カフェは多くの方は最後まで残っていらっしゃいます。でも、早く終わらせて帰る方もいらっしゃいましたよ。

──ルールの中でも、「目標達成するまで退店できない」が気になります。これまでに目標達成しなかった利用者はいますか。

実は、終わったかどうか中身を私が確認するわけではないので、「終わりました」と言われれば信じるしかないのですが(笑)、でも「終わらなかった」という方はいらっしゃいません。

それよりも「思ってた以上に進んだ!」という優秀な方もいらっしゃいます。

──昨年の例で、利用者からの店長への質問にはどういったものがありますか。

これは何費になるのか勘定科目を知りたい、出張と旅行を兼ねた場合どこまで旅費が経費になるか、という会計的なものや、国税庁の確定申告書等作成コーナーの入力の仕方とか、共同経営している場合の経費の分け方とか、家事按分の考え方とか……様々でした。

──昨年の例で、利用者同士の交流はありましたか。

はい。連絡先交換のようなことはありませんが、その場で、和気あいあいと悩みや相談事を話し合ったり、お互いどのような仕事をしてるのか話したり…。黙々とお一人でやる方もいらっしゃいますし、早く終わって飲みたい人はお酒を飲みながら色々話す方もいらっしゃいます。

そして去年の確定申告カフェにいらした方々が、今年もまた予約してくださってるので、1年ぶりにお話するのが、私も楽しみです。

「確定申告カフェ」基本情報

■料金

1人4000円(税込み:ドリンク付き)
定員:10名(予約制)

※料金は当日入店時にキャッシュレスで支払い
※Suica/PayPay/iD/LINE PAY/QuickPay/クレジットカードが利用可能

■営業予定

2024年2月18日(日)・3月6日(水)いずれも 19:00~22:00

※予約者は営業時間内の好きな時間に来店可能

■場所

高円寺三角地帯(座・高円寺ちょっと先)

「経費精算カフェ@六本木」も開催予定・以下基本情報

■営業予定

2024年2月27日(火)18:00~21:00

■場所

六本木D3

■料金

1人10000円(税込み)

定員:15名(予約制)
(21時~、飲み放題付き)

経費精算カフェby六本木D3(24.2.27) 

■店長プロフィール

脇田 弥輝(わきた・みき)◎「”外部の税理士の先生”ではなく”内部の敏腕経理”と思ってもらい、お客様とともに事業を成長させる」を理念とし顧問先と付き合う。著書に『何も知らなくても大丈夫!フリーランスの税金と経費と確定申告[副業の人も]』(ソシム社)他。セミナーや解説記事は、専業主婦を経験したからこそわかる生活者視線の税金&マネー解説が好評。

文・構成=石井節子

ForbesBrandVoice

人気記事