モビリティ

2024.01.11 12:00

AIを搭載したソニー・ホンダAFEELAはドライバーの楽しい「相棒」になる

対話型パーソナルエージェントをマイクロソフトと開発へ

プレスカンファレンスではソニー・ホンダモビリティが「Microsoft Azure OpenAI Service」を活用して、AFEELAに搭載する対話型パーソナルエージェントの開発を目指すことも明らかになった。パートナーにマイクロソフトを選んだ理由を川西氏が次のように説明した。

自動車向けの対話型パーソナルエージェントをマイクロソフトとの協業により開発自動車向けの対話型パーソナルエージェントをマイクロソフトとの協業により開発

「ソニーグループでも独自に自然会話による音声対話の開発を続けてきた。その経験から、人間とAIとの自然な会話を継続させることは、一問一答形式の会話を成立させるよりも格段に難しいことを知っている。検索エンジンBingの開発や、OpenAIの言語モデルに関わる技術との統合を経験してきたマイクロソフトと組むことは、完成度の高い対話型パーソナルエージェントを実現するための良計と考えた」

自動車が搭載する対話型パーソナルエージェントの役割、あるいは振る舞いはどうあるべきなのか。記者の質問に川西氏が答えた。

「AIとの自然会話に『正確さ』を求めるのは時期尚早だと思う。自動車の場合もある程度の『あいまいさ』があることを前提で、適材適所に使わなければ間違うだろう。クルマのAIに対して確実に何かの指示を伝えなければならない場面ではなく、会話を楽しむエンターテインメント用途のパーソナルエージェントとしてであればドライバーの役にも立てるのではないか」

ソニーは「poiq(ポイック)」という、対話を通じてユーザーを理解しながら成長するエンタテインメントロボットを独自に開発している。川西氏はポックの「生みの親」として、ソニーの開発チームを率いる責任者でもある。

ソニーが独自に開発するAIエンジンによる自然会話の品質向上を目指して開発したエンタテインメントロボット「ポイック」。本機にも川西氏が深く化かある

ソニーが独自に開発するAIエンジンによる自然会話の品質向上を目指して開発したエンタメロボット「ポイック」。本機にも川西氏が深く化かある

ポイックに搭載するソニー独自のAIエンジンは「バディ(相棒)」としてユーザーとの会話を繰り返し、ユーザーの興味や関心を学びながら徐々に自然会話をマスターするために前進を続けている。AFEELAが搭載する対話型パーソナルエージェントも「クルマがよりインテリジェントになれば『相棒』的な存在になれる」と川西氏はイメージを描いてみせる。AFEELAによる運転を支援する相棒が「できること」について、川西氏には現時点でいくつものアイデアがあるようだが「またしかるべき機会に伝えたい」と明言は避けた。
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編集=安井克至

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