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2023.12.25 13:00

「世界で最も危険なUSBケーブル」最新版が登場 誰でも入手可能に

重大なリスク

しかし、このデバイスが悪意を持つ人の手に渡れば、危険な用途に使用されることは明らかだ。広く知られているリスクとしては、ジュースジャックと呼ばれる攻撃が存在する。米連邦捜査局(FBI)は、犯罪者が公共のUSBの充電ポートに細工を施し、使用者のデバイスにマルウエアや監視ソフトウエアを侵入させる方法を編み出していると警告している。

ハッカーのための攻撃用ケーブルというコンセプトは、新しいものではない。各国の情報機関は何年も前からそのようなデバイスを開発し、使用してきた。しかし、このレベルの製品はこれまで一般向けには出回っていなかった。

自宅や職場で、正体不明のケーブルに出くわす可能性はほとんど無いだろう。しかし、どこかで配布されていたケーブルやUSBスティックを、安易に自分のデバイスに接続するべきではない。特に、出張が多い人や、法律や公務に携わる人、有名人などは、その脅威を認識しておくべきだ。

また、海外ではホテルのUSB充電ポートも使わない方がいい。やむなく使用する場合は、データブロッカーを用意するべきだ。

組織のセキュリティをテストする研究者のためのツールとして、OMGケーブルは非常に高い評価を得ている。今やこのツールは、数え切れないほどの専門家にとって標準的なものとなった。「悪意を持つハッカーが、あなたのシステムに侵入し、それをコントロールし始めたとしたら何が起こるか? このデバイスは、そのような脅威に備える上で、非常に有用なものだ」とグローバーは語る。

しかし、彼はこのツールが悪意のある目的に使用にされるリスクがあることを十分認識している。「だからこそ、私たちはこのケーブルに、前もって悪意のあるソフトを仕込んでおいたりはしない。専門家にとって使いやすいデバイスは、実弾が装填された銃とは別のものだ」

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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