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2024.01.02

ChatGPT使いSNSを監視 セキュリティ企業が政府や警察に売り込み

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世間の多くの人々は、ChatGPTを使って調べ物をしたり、メールの下書きをしたり、プログラムを作成したりしている。しかし、一部のスパイウエア企業は最近、ソーシャルメディア上の人々を監視するために、このような生成人工知能(AI)ツールを使用する方法を模索している。

昨年11月にパリで開催された国土安全保障関連の国際見本市Milipol Paris(ミリポール・パリ) のプレゼンテーションで、米オンライン監視会社Social Links(ソーシャル・リンクス)は、AIがSNSユーザーの感情を分析したり、グループ内で議論されるトピックを把握したりする「センチメント分析」でのChatGPT活用法を実演した。警察などの法執行機関はこのツールを用い、人々のオンライン上の活動が暴力事件に発展したりする可能性を予測できる。

ロシアの起業家アンドレイ・クリコフによって2017年に設立された同社は現在、オランダとニューヨークに拠点を構えている。米メタは2022年後半、ソーシャル・リンクスをスパイウエア企業に指定し、同社がフェイスブックのデータをスクレイピングするために使用したとされる3700のアカウントを閉鎖していた。

しかし、ソーシャル・リンクス側はメタの主張を否定し、自社は欧州や北米の500以上の顧客に「公共の安全のためのツール」を提供していると述べている。

だが米国自由人権協会(ACLU)は、ChatGPTのようなAIツールをSNSの監視の強化に使えば、「人間には不可能な方法で、人々の監視の規模が拡大する可能性が高い」と警鐘を鳴らしている。ChatGPTの開発元OpenAIは、同意なしに個人を追跡したり監視したりすることを含め、「人々のプライバシーを侵害する行為」を容認しないと述べている。

これに対しクリコフは「われわれはOpenAIのポリシーを厳守しており、コンテンツの要約を作成したり、テキストの内容を分析する目的に限ってChatGPTを使用している」と主張する。それでもなお、ソーシャル・リンクスのソリューションがオンライン上の人々の活動を監視する強力なツールであることに変わりはない。

同社のツールは、特定のキーワードやハッシュタグを含む投稿をSNSから拾い上げ、ChatGPTを用いて、その感情を分析してグラフ化する。このツールは、大手のSNSの議論を素早く要約・分析することが可能だ。同社のアナリスト、ブルーノ・アロンソは見本市でのデモで、スペインの暫定首相がカタルーニャ自治州の独立派政治家に恩赦を与え物議を醸した決定について、オンライン上の反応を分析してみせた。

また、SNS上で否定的な発言をした人物の顔を特定することも可能だとされる。この機能を警察が用いれば、同社の独自のアルゴリズムを用いて、複数のSNSから特定の人物を探し出すことも可能になるという。「可能性は無限です」とアロンソは語った。
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編集=上田裕資

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