今年のクリスマスに夜空で見るべきものを以下に紹介する。
輝く「ベツレヘムの星」
イエス・キリストの誕生を東方の三博士に知らせたとされる「ベツレヘムの星」(別名クリスマスの星)の起源は、明るい惑星だったのだろうか? 今月には、明るく見える惑星が2つある。夜明け前には金星が見えるが、一番見えやすいのは日没後に現れる木星だ。南東の空高く、非常に明るく輝く木星は最近、年に1度の「衝(しょう)」を迎えており、明るさと大きさが最大に近くなっている。この時期は、肉眼でも双眼鏡でも小型望遠鏡でも、木星を見るのに一年で一番良い時だ。22日金曜日には、満ちていく月のすぐそばにこの巨大な惑星が現れる。
冬至の日暮れ
北半球で冬が始まり、1年で最も昼が短くなる冬至は、地球にとっても12月の祝祭の天文学的理由においても大切な日だ。太陽が正午に南回帰線の上を通過する(太陽が最も南で輝き、南半球が太陽に最も近く傾く)のだが、その際に見事な天体ショーが見れるというわけではない。そこで12月22日の夕方には外へ出て、冬至の日暮れを鑑賞しながら、地球が軸を23.5度傾けて自転している事実を祝おう。この傾斜は、多くの地域に四季がある理由となっている。
クリスマスの流れ星
冬至が過ぎるとすぐに、こぐま座流星群のピークがやってくる。12月23日の未明から明け方にかけて見える流れ星は1時間に数個程度だが、星空観賞に出かける絶好の機会だ。運が良ければ横切る流星を見られるかもしれない。タットル彗星(8P)が内太陽系に残していったちりとデブリによって起きるこぐま座流星群は、北のこぐま座から飛び出すように見える。
昇る「クリスマスムーン」
12月27日には12月の満月である「コールドムーン」が昇る。米国では、満月が26日の「ボクシングデー」(仕事でクリスマスを祝えなかった人たちのための日)に当たるため、「クリスマスムーン」の名前がつけられている。住んでいる地域の月の出の時刻を確認しておこう。毎月昇る満月は、自然が与えてくれる最も美しい光景の1つであり、空が晴れてさえいれば、決して見逃すことのない体験だ。この「コールドムーン」は2023年最後で13番目の満月だ。
「サンタのそり」
NASAのウェブサイト「Spot The Station」や新しいスマートフォンアプリ(iOS、Android)を使えば、自分のいる場所で、夜空を横切っていく「サンタのそり」を見つけられる。とは言っても、本物のサンタのそりではもちろんなく、その正体は国際宇宙ステーション(ISS)だ。ISSは常に明るく輝き、夜空を白い光が西から東へと数分かけて横断する。その光は、太陽光がISSの巨大ソーラーパネルに反射したものだ。
「東方の三博士」
誰もがオリオン座を知っているのは、3つ並んだ星の列を見つけるのが簡単だからだ。日没後に東を見ると、地平線の上に「東方の三博士」と呼ばれるアルニタク、アルニラム、ミンタカが並んでいるのが見える。その左右を見ると、オリオン座の有名な明るい星、赤いベテルギウスと青いリゲルがある。
(forbes.com 原文)