ネトフリの『ONE PIECE』再アニメ化、異例プロジェクトの裏にある狙いとは

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人気漫画『ONE PIECE(ワンピース)』の新たなアニメシリーズが、Netflix(ネットフリックス)などの出資により制作されることが発表された。原作漫画もアニメもまだ続いている中での再アニメ化は、極めて異例だ。

実写ドラマ版『ONE PIECE』は、ネットフリックスのこれまでの実写化作品からは誰も予想していなかった成功を収めた。同社が、この成功にどうにかしてあやかりたいと考えるのは、当然の成り行きだ。

実写ドラマは、新シーズンの制作がすでに発表されている。しかし、漫画とアニメがまだ完結していない中、それと並行した新アニメの制作に資金を提供するのは、非常に奇妙だ。

すでにアニメ化されている作品が、競合する会社によって再アニメ化されることは異例だ。異なるスタジオが映画やテレビシリーズなどのクロスオーバー作品を作ることはあるが、それは同じ出資会社や製作委員会によって行われることが多い。

あえて推測すると、ネットフリックスは原作漫画とオリジナルアニメの権利を持つ集英社と東映アニメーションとの契約が気に入らず、自社でライセンスを取得し、収益の取り分を増やそうと考えたのではないか。もちろん、前払いのライセンス料とロイヤリティを支払う必要があるが、最終的な収益に比べれば大したものではない。

Netflixはデータ主導型の会社だ。もし『ONE PIECE』の再アニメ化がうまくいけば、次は何に乗り出すだろう? 『ドラゴンボール』や『NARUTO -ナルト』の再アニメ化だろうか?

過去にアニメ界を支えてきた製作委員会方式は、ストリーミングサービスの台頭によって既に破綻しはじめている。「アニメタイムズ」のような巨大合同事業が立ち上げられた部分的理由もそこにある。

しかし、新アニメプロジェクトはそのすべてを迂回し、奇妙な未知の領域を生み出すものだ。私は、アニメスタジオが今よりもさらに困難な状況に置かれる可能性を懸念しているが、これについては実際にどうなるかを見守るしかない。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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